第六話 禍福の弓矢
ヘンリー島、その昔六回結婚した王がいたとかいないとか。
まあ、詳しくは「ヘンリー8世」でググってください。
アーサー島で三人と王立騎士団は次にいく島を選んでいた。
「このエリザベス島はどう? 」チップスはいう。
「僕はリチャード島がいいな、戦い応えがありそう」エールがいう。
「ヴィクトリア島だろう? きっと素晴らしい島だよ」レオナルドがいう。
沈黙していたフィッシュがいう。
「今回はヘンリー島にしよう、禍福の弓矢はきっと手強いだろうが手にいれたい」
「禍福ってなんだ?」チップスが聞く。
「不幸と幸運のことだよ」エールがいう。
「何か気になるな」レオナルドがいう。
「では、いきましょう」フィッシュがいう。
王立騎士団の船へとのってヘンリー島を目指す。
「この近くにヘンリー島がある、それと小さな島が複数」エールがいう。
ストッ
「何だこれ? 矢?」騎士団員のアンがいう。
矢には禍福と裏表に書かれていた。そして今むいているのは福。
近くの島を通るとそこには福と書かれた宝箱があった。
中を開けると金貨がたっぷり入っていた。
ストッ
「また矢が刺さった。福だっていうことは……」チップスがいう。
空からフライングライオンが何かを落とした。中を開けると王冠が入っていた。
「ヘンリー島今までで一番楽しい、あとどのくらいお宝手にいれられるかな?」ワクワクしながらチップスがいう。
「しばらくここで矢を待っていれば大金持ちになれそうだな! 賭け事より儲かる」トーマスがうきうきしながらいう。
「福の間はいいけど、禍になったら何が起こるんだろう?」アリスがいう。
ストッ
「禍の矢だ」ドゴオオオン
「な、何が起きたんだ」アダム聞く。
「矢が当たった場所に大砲が飛んできた」レオナルドが答える。
ストトッ
「禍の矢が二本きた、みんな逃げろ!」チップスがいう。爆弾貝が二体現れた。
フィッシュが爆弾貝二体を防御魔法で包む。
防御魔法内で爆発する。
「禍福の矢は禍が当たれば不幸に、福が当たれば幸運がやってきます。二本は表裏一体です」フィッシュが説明する。
「は~、前みたいに何かないかフィッシュ? あの時は風に色を付けて甘い匂いつけたじゃん」チップスがいう。
「そうですね、禍福の匂いをかぎ分けて幸福なら受け止め、不幸ならはね返す魔法をかけましょう」フィッシュが答える。
フィッシュが杖を振るうと犬の鼻と手袋をした手が現れた。杖で指し示すとそれらは船の前にふわふわ浮く。
犬の鼻が鼻をひくつかせていると矢が飛んできた。
手は矢を受け止めて船に届ける。
福の矢だった。
海から噴水のように金貨があふれる。それらは全て船の上にのる。
また、犬の鼻が反応すると矢が飛んできた。
どうやら全て禍だったようではね返す。
うわああああ
「何の声だ!?」レオナルドがいう。
「どうやら僕らは弓の使い手に勝ったみたいだね」エールがいう。
船を声の元へと進める。
ヘンリー島に着いた。
そこには弓を持った半人半竜の少女がもうすでにぼろぼろで気絶していた。
彼女が今回のガーディアンドラゴンらしい。
「う~ん」彼女は気がついた。
ドラゴンの姿になり、いつものセリフをいって戦うことになった。
ふしぎな形のドラゴンだった。羽の代わりに複数の弓がついており、それが四方八方に矢を飛ばしてくる。その一つ一つが禍福の矢なのだ。
矢はフィッシュに任せて十二人とふたりはドラゴンの弓を攻撃した。
弓の強度はひとはり三回攻撃すれば壊れるが、ひゃくはりある。
「みなさんのお手伝いしますね、福の矢の効果をとどけます」
福の矢の効果が十二人とふたりにとどくと全員の攻撃力が上がった。
一気にかたをつける。
弓を失ったドラゴンはびくうっとなり、負けを認めよう! 充分にその力はわかったから! といって逃げていった。
「何だか今回のドラゴンは思ったよりたいしたことないな」アダムがいう。
「でも怪我してるじゃない」リリスがアダムの怪我をつんつんする。
ヘンリー島の城は六つあり、六つごの城の精だった。
城はそれぞれにアラゴン城、ブーリン城、シーモア城、クレーヴズ城、ハワード城、パー城だ。それぞれに金貨が蓄えられていた。
ブーリン城に禍福の弓矢はあった。
「使い方には気をつけないといけない財宝だよな」チップスがいう。
「禍の矢より福の矢に特に気をつけないとな」トーマスがいう。
ルイ王国に戻りこのことを報告する。
「これが禍福の弓矢か」エドワード王がみぶるいする。
「どうしたんです? エドワード様」レオナルドがいう。
「いや、これが原因で六回結婚した王がいたんだ」エドワードが答える。
「はあ、だから城が六つあったんですか」エールがいう。
「あの財宝は賠償金なんですね」リリスがいう。
「禍福の弓矢、何と恐ろしい……」レオナルドがごくりと唾を飲む。
「素晴らしい戦力になりますね」フィッシュがうっすら笑いながらいう。
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