第四話 海神の盾
王立騎士団という頼もしい仲間も加わり戦力が増した。
それに空も飛べる軍艦で海を進む。
アルフレッド島へと向かうなか見えない壁にぶつかる。
レオナルド「試されているのか?ならば」
フィッシュ「待て、軽率な行動をしてはいけない
レオナルド「何かいい考えはありますか? チャールズ様」
フィッシュ「フィッシュでいいよ、レオ」
王立騎士団も加わり、冒険は賑やかなものになってきた。王立騎士団は十二人の騎士で構成されていて軍艦も装備している。
地図に次に示されたのはアルフレッド島だ。天候も安定し旅は快適だった。
しかし、突然船が何かにぶつかる。何もない場所で。
地図を見ると近くにアルフレッド島があるが、地図にはこの現象の説明はない。
「試されているのか? ならば」レオナルドは呟く。彼は攻撃魔法を命じる。
「待て、軽率な行動をしてはいけない」フィッシュが止めるのも聞かず攻撃を始めた。
見えない壁に爆撃魔法が当たる。すると、船をぐるりと囲むように爆撃魔法の集中攻撃を受ける。
船には防御魔法が施されていたが、攻撃は強力だった。レオナルドはすぐに後悔した。
「これは攻撃をされた場合、その攻撃した者を囲んで反撃する魔法が施されている」フィッシュがみんなに説明する。
「何て忌々しい攻勢防御魔法なんだ!」レオナルドがこぼす。騎士団員からこの状況を脱するためのアイデアが出る。
軍艦は空が飛べたので空からアルフレッド島にいこうとしたが壁はどこまでも続いていた。
すり抜けの魔法を使おうとしても魔法が効かない。
壁のない別の道を通ろうとすると、壁に囲まれて動けなくなる。
「これは進むことも戻ることもできないですね、困りましたね」メアリーがため息をこぼす。
「お茶でも飲んで落ち着きましょう」騎士団員のセバスチャンが全員にお茶を振舞い落ち着かせる。甘いお菓子に女性騎士団員たちが喜ぶ。十二人中五人が女性騎士団員だ。
小腹も満たされ冷静になった。
フィッシュは何か考えている。風が弱く吹いている。これは、と彼は思いつく。
彼は風を利用することにした。
風に色を付けた魔法をかけてそっと吹く。すると、この見えない壁はどうやら迷路になっているようだ。
「この色を目印に進むといい」フィッシュはいった。船はその通りに進んでいった。
迷路はくねくねと進み、アルフレッド島まで着いた。
「前回はここでガーディアンドラゴンと戦ったんですよ」エールが言うとバキバキバキッと木を倒してドラゴンが現れる。
今回は以前とは違う。十二人の騎士団員もいるのだ、余裕だろうとチップスは考えていた。
「今回は見えない壁が島に辿り着く前に出てきたということは、ドラゴンとの戦いにも関係があるだろう」フィッシュがいうと、突撃していった騎士団員アダムが四方八方から攻撃を食らっていた。
「一度受けた攻撃を二度受けるのは二流騎士のやること」治療をするリリスにたしなめられるアダム。チッ反省してマースと返す。
「何かいい考えはありますか? チャールズ様」レオナルドがフィッシュに聞く。
「フィッシュでいいよ、レオ」フィッシュはそれに答える。
「クッキーの残りでも食べながら考えようぜ」チップスが持ってきたクッキーを広げる。甘い匂いがその場に広がる。
「私に考えがある」フィッシュは笑顔を見せる。
色のある風が吹く。ドラゴンはそれに匂いがついていることに気付く。甘い匂い、何ていい匂いなんだ。
風は次第にドラゴンのまわりをくるくると回り、ぎゅっと縛りつけるが彼は匂いに骨抜きだ。ぎゅうぎゅうと締めつけられ、身動き取れない。
その隙にレオナルドがドラゴンの首を斬りおとし倒した。
「はあ、やっと終わった」エールがほっとする。
「まだだ、宝を手にいれていない。この調子だとまだ何かありそうだ」フィッシュがいう。
「ま、まだですか?」騎士団員で一番ビビりのジョンがいう。みんなの表情が曇る。
「冗談だよ」フィッシュが笑っていう。
みんながほっとした。
地図を見るともう城の場所がのっていた。これはクリアということか、アルフレッド城とのっている。
城の精アルフレッドに案内されて宝の元に向かう。宝物庫の中にそれはあった。
「海神の盾といいます。お受け取りください」レオナルドは受け取る。
「どんな能力を持った盾なんだ?」レオナルドが聞くとアルフレッドはいった。
「よ~くご存じでは?」みんな苦い笑いを浮かべた。
ルイ王国へと戻り、今回の冒険の報告をエドワードにした。エドワードはみんなに労いの言葉と褒賞を与えた。
「フィッシュはよくあんな魔法を組み合わせるなんて思いついたね。風に色とか匂いをつけるなんて」チップスはルイ王国の酒場でその話をした。
「甘いお菓子に色のある匂いあったなら、と考えることがあるんだ」フィッシュがいう。
チップスはちょっと想像した。そして顔を思い切りしかめた。
「君が考えたちょっと品のない匂いに色がついていたなら、というのはなかなかいいアイデアだ」エールは思わず吹きだした。
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