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親の脛を齧る王子さま。

作者: 七瀬








我が国の王子さまは、親のすねをかじる親不孝者。

王子さまも、既に39歳になったと言うのに...。

結婚もせず、フラフラして女の子達と遊んでばかり。

じきに、この国の王様になるお方が独り立ちが出来ないとは?

なんと、情けない。




王様も王妃も年を取って産まれた、たった一人息子に、、、。

ワガママ、させ放題で育てた結果! 親のすねをかじる子供に

育ってしまったという事だ!




『ねえねえ、パパママ!』

『なーに? どうしたの?』

『今度は、何を買ってほしいんだい?』

『僕専用の、パーティー会場が欲しいんだ! そこに皆集めて!

朝まで派手で賑やかなパーティーを開きたいんだよ~』

『あらあら? まあまあ、仕方がないわねぇ~!』

『息子の頼みだ! 買ってやろう!』

『ありがとう、パパママ!』





39歳にもなって! 未だに、親のすねをかじる王子さま。

王子さまは、王様から好きなだけお金をもらっていた。

王子さまは、次の王様になる事も全く考えていないのか?

王様の引継ぎのような仕事も一切覚えず。

ただひたすら、お金を使い放題使って! 友達を集めて

遊んでいる毎日を過ごしていた。





王子さまが、14歳の時に女の子と関係を持った時。

女の子のお腹に王子さまの子供が身ごもる。

王子さまは、王妃様に相談して! お金で解決した。

その後【全ては、お金と地位があれば! 何でも解決できる】と

思った王子さまは、何度もいろんな女の子のお腹に自分の子供を

身ごもらせるが、すべて! お金で解決してしまった。

王様も王妃も、だんだんと王子さまのやる事に口出しできないよ

うになってしまった。





ワガママ放題で、自分の思い通りにならないと癇癪を起す息子に

王様も王妃も、手を焼いていたからだ。

そんな時、【一人の男】と王様と王妃が出会う事になる。

王様は、その男を次の王様にすると国民の前で言ったのだ!

それを聞いた、王子さまは居ても立っても居られず王様に直々に

会いに行って聞いたのだ。



『どういう事なの? どうして、ぼくが王様になれないの?』

『ミッケル! お前には、俺の後を継ぐ事は、到底無理だ!

よって! 彼を俺の養子に迎え、今後のこの国の王に相応しい

男にしていくと俺は決めたのだ! お前は、今日から俺の息子

ではない! 俺の息子でいる条件は、王様になれる事だけだ! 

今すぐ、出て行きなさい!』

『・・・えぇ!? どうして、急にそんな事を言うんだよ、パパ!

ママからも、何か言ってよ!』

『私の愛する息子は、ココに居る! パスタだけよ! もう二度と!

私の前に顔を見せないで!』

『・・・ママ、』






・・・こうして!

王子さまは、王様の後継者から降ろされ、息子としても追放された。

もう、ただのこの国の庶民になったミッケルを相手にする者はいない。

ミッケルが、友達だと思っていた者達は、皆彼から離れて行ってしま

ったからだ。

相手にされなくなった、ミッケルは心底落ち込んだ。


【誰も、ぼくの相手をしてくれない!】

もうじき、40歳と言うのにミッケルは、何も出来なかった。

どの仕事も長続きせず、直ぐに辞めてしまう。

仕方なく、ミッケルは貧しい生活を強いられていた。

無知なミッケルは、誰にも相手にされなくなる。





・・・そして。

ようやく、気づくことになった。

ぼくは、他の同年代の男性と比べて何も知らず経験もない!

ぼくと同じ歳の男性は? 皆、結婚して子供もいる。

一家の大黒柱として! どの男性も頑張っている。

それに比べて、今のぼくは子供よりもこどもで。

一人で、何もできなかったんだと後悔しかなかった。

もっと、大人の男性にならなくては? ぼくはダメになると思った。

それからのぼくは、心を入れ替えて! 必死になって働いた。

王様と王妃も、実の息子をほっておくはずがなく。

息子が、本当にダメな時は、助けるという条件を出して。

こっそりと、王様はスパイを送り込んでいたのだ!





・・・月日が流れて。

ミッケルは、家庭を持った! 愛する妻と子供達に囲まれながら

幸せな生活を送っていた。

王様と王妃は? ミッケルを次の王様になってほしいと思っていた。

ミッケルに、直接会って! その事を伝えたが。

ミッケルは、王様と王妃にこう言った。




『・・・ミッケル、随分と痩せたな~元気だったか?』

『お父さん、お母さん! どうして、ここへ?』

『あなたの事を一度たりとも忘れた事はありません! もうそろそろ

お城に帰ってきなさい! あなたがじきのこの国の王様になるのです!』

『・・・それは、お断りします。ぼくは、今の生活で十分幸せなのです。』

『ミッケル、』

『しかし? 私もそんなに長く生きてはいない! お前に俺の後を継がせ

たいのだ!』

『・・・彼は? 養子になった彼を王様にするのではないのですか?』

『・・・すまない、彼を養子にもしていないし! 王様になる事もない!

彼は、お前を立派にする為に俺が雇った者だ! あのままだと、お前は

王様どころか、王子としても失格だ! だから、ああするしかなかった

んだ、すまないミッケル。』

『それより、お父さんお母さん、ぼくの妻のファンリーとムイとサンと

アマンダです。』

『おうおう、まさか!? 孫の顔が見れるとは、、、?』

『うちの息子がお世話になってます、あなたが私の息子のお嫁さんかしら?』

『・・・は、はい! ファンリーと言います。』

『息子をよろしくね!』

『・・・は、はい! 王妃様。』

『ミッケルの言う事は分かった! いつでも、孫の顔を見せに城に

帰って来なさい!』

『・・・は、はい!』

『・・・立派になったわね!』

『俺達の息子は、いい顔をする大人の男になったよ。』

『えぇ!』






・・・あんなに、【親の脛を齧る王子さま】だったのに。

今では、自分の意見をはっきり言える! 大人の男性になっていた。

王子さまは、貧しい中でも小さな幸せがあると分かったからだ。

今は、王様の座を自分から降り、愛する奥さんと子達に囲まれて

貧しながらも、幸せな生活を送っている。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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