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脱走の意味

HEY!HEY!HEY!


本洗礼の日だぜぃ!!


ヤバイな、このテンション


このままいくと倒れるわwe


この本洗礼は誕生日で分けられていて、


4月から9月生まれまでが九月三十日に、


10月から3月までは3月30日に行うことが法律で定められていて、


前半に受ける者と後半に受ける者とで半年の差があるから貴族は秋までの誕生日が多い。


だって能力が開花してから半年間家で練習を積んで能力試験を受けるのと、


能力が開花した一週間後に能力試験を行けるのでは覆しようのない差が出るからね…


やっぱり半年のアドバンテージは大きいから、


あまり後半組から首席が出ることは少ないことから、


貴族は夏生まれが多い。


だから夏って誕生日パーティーが開催されまくる。


同じ誕生日の方も多いからどちらのパーティーに行くかでお家同士の派閥が分かれるなど色々めんどくさいことになってる。


あ、私?私は三月生まれだから関係ないよね。


予定では四月に産むつもりがったらしいんだけど、早めに生まれちゃったから後半組に。


だから小説のミルフィーユ様もそんな成績がいいイメージはなかったんだけど…


親の期待に答えられない焦りもあってヒロインいじめに走っちゃうっていうキャラだった気がする…


んでもまあ、


チート手にしちゃいましたから。


ぶっちゃけ関係ない


多分ヒロインより強いし。


…あれ、なんで逃げるんだったけ?


「…ヨハン」


「なんでしょう」


小声で読んだだけなのにすぐ現れる…


忍びかっちゅうの


「ねぇ。なんで私逃げようと思ったんだっけ」


「はぁ…皇太子と意地でも離れたいんじゃなかったですか?多分八割は能力目当てに駆り出されたくないからでしょう?」


…そうだったw


「バレてたかぁ」


「お嬢様はそんなに人に興味はないじゃないですか。そんなことのために労力は払わなそうだなと思って」


「…ヨハンって私以上に私のとこ理解してるよね」


「ありがとうございます」


「いや、褒めてないんだけど…そっか、とりまありがと。んじゃバイバイ」


「失礼しました」


「…んーどーしよっかなぁ」


脱出はしたい。


ただ働きだけはしたくないけど…


ぶっちゃけ、親や弟は好きじゃない。


でも、もし私が逃げてそれが連帯責任になったら?


うちは権力を持ちすぎているから少しぐらい削られるのはちょうどいい。


でも、もし奴隷落ちとか、爵位剥奪とか、最悪、死刑になる可能性もあるのに、


私のわがままで3人もの命をこの世から失ってしまうかもしれない。


そう、思うとやっぱり怖くて…


…どうしよう。


この国に居続けることは得策じゃない。


多分居続けたら、殺されるか奴隷にされるかだろう。


皇太子性悪だからなぁ…


自分の人生を捨てるか、


自分の自己中をとって3人の人生を危険に晒すか…


好きじゃないってだけで嫌いなわけでもない。


王国にとってカノン家が潰れるのも得策じゃない。


「どーしよっかなぁ」

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