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婚約者

「なんで殿下がいるんですか」


「婚約者の勤めとして適切であるとは思うが?」


「…さいですか…」


…あぁ、めんどくせぇ


ヒロインちゃんとラブラブしてたくせに


「一つ確認したいことがあるのだが…」


「なんでしょう」


何をそんなに険しい表情をすることがあるのだろうか


あぁ、めんどくさい


「マドレーヌって知ってるか?」


「マドレーヌ…あぁ、マーガリンちゃんですね、はい、一応うちの侍女ですね、何かしましたか?殿下との恋を育んでいると思っていましたが…」


「…婚約者の前でそれをいうか?」


「戦略婚約なので」


「…そこまではっきりいうか?」


「マーガリンさんとラブラブしといたらいいじゃないですか、私は国母なんてめんどくさいのになりたくないのでさっさと断罪したらどうです?いじめてるとかいう証拠があるのでしょう?」


「…」


「さっさと処刑してくれたらいいものを…何チンタラしてるんですか?男ならさっさと手に入れたい女のために婚約者ぐらい切らないでどうします?いくらでもでっち上げられるじゃないですか、婚約者が他の女性と話していたことに嫉妬していじめたとか、皇太子の婚約者として相応しくないとか」


「軽々しく処刑とかいうな。そんなに死にたいのか?」


何かを堪えている表情をしている殿下を見て、何かしてしまったのだろうかと今更ながらにも思ったが、


少し考えても全く理由が浮かばなかったので見間違いだと思い、そのまま続けることにした


「そうですねぇ…だってめんどくさいじゃないですか、人間関係とか、ていうか生きること自体がどうだっていい。」


「…お嬢様!!」


大きな声が聞こえてきて入り口を見るとそこには暖かそうな湯気を立てる土鍋を手にしたヨハンが立っていて、


その表情が悲しそうで、


さっきの殿下の表情には何も思わなかったのにヨハンの表情を見るとなんだか自分が悪いことをしてしまった気分になって、


申し訳なく思ってるとその奥からシュゼットが出てきた。


「どうしたの?シュゼット」


「なんで婚約者の俺は皇太子殿下なのにシュゼットはシュゼットなんだ」


「だって幼馴染みですし…ねぇ」


「んまぁ…そうですね、」


「…そうか」


「何不貞腐れた顔してるんですか笑」


子犬みたいだなと思ってたら悪気もないようにシュゼットがいうもんだかたちょっと焦って殿下を見るもどうとも思っていないようで、なんだか気を遣った自分がバカらしくて思わずシュゼットを睨んだ


「ミル、拗ねない」


「うるさい。で、どしたの」


「いやー起きたって聞いたからきたんだけど…」


「あっそう」


…まじどうでもいい…


「どうでもいいっていう顔すんなよ、なぁミル」


「何」


「お前が生きることを諦めたのっていつからだっけ?」


「…諦めたのは…」


…いつだろう。


少なくともヨハンと出会う前であることは確実だろう。


…あぁ、そうか


「…五歳の時…かなぁ」


「「!?」」


「そんぐれぇか…やっぱりうちで預かってた方がよかったな」


シュゼットは、優しすぎる。


悪評が立ってるにもかかわらず何もことを起こさない私を見放さずにいてくれる。


おそらく私に直接被害が今までなかったのはシュゼットが何かしらしてくれていたのだろう。


時期宰相なのだから、さっさと見捨ててくれたらいいのに。


「どっちにしろ私の性格は変わらないわ」


「…そうか」


「ちょっと待て」


殿下がいること忘れてた。


「なんですか、殿下」


…というか、だるくなってきた。


「なんの話をしている」


「だから、過去の話を?」


「細かく噛み砕いて説明しろ」


「…シュゼ」


「はいはい。」


「の前に少しいいですか?お嬢様の顔色が優れないのでベットの方に移動しましょう」


「…ヨハンの料理、久しぶりに食べたかったのだけど…」


「食事に興味を持ってくれたのは嬉しいですけど…ではとりあえず座ってください。とりあえずよそうので」


「はぁい、シュゼも食べるよね?」


「ヨハンの飯うまいしな、食う」


「殿下は…あげたくないのでいいです。しょうがないのでテーブルの上にある抹茶のクッキーを差し上げます」


「お嬢様、いくら抹茶が食べられないからって殿下に押し付けないでください。美味しいフィナンシェがありますから、そちらにしましょう」


ソファーに私とシュゼが座り、対面の椅子に殿下が座るとヨハンがホカホカといまだに湯気を立てる土鍋から卵雑炊を装ってくれて、


久しぶりにお腹が空いた感覚がした。


「ミルはここの学園の飯あんま好きじゃないだろ」


「食堂に行ったことすらないからわかんない」


「…何食ってたんだよ」


…何食べてたかなぁ…


んー


「お菓子かなぁ」


「…ちゃんと食え、ばか」


シュゼの顔がこえぇ…


「私が食事に興味ないの知ってるでしょ」


「お前ご飯食うの好きだったじゃないかよ」


「そうだったけ?」


…また表情が曇った。


「はぁ…とりあえず、さっきの話ですよね」


「あ、あぁ」

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