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入学

それから一週間ほどが経ち、入学式が行われた。


新入生代表挨拶は原作通り皇太子が行い、


在校生代表挨拶は生徒会長自ら行っていた。


クラスは試験で失敗したというのに一番上のSクラスで、


そこにはヒロインちゃんの姿はなく、少し安心してしまった。


が、


そこに新たな問題が


「ミルフィーユ」


新入生代表挨拶を行った皇太子ももちろんこのクラスで


家柄を考慮されて組まれた席順では隣に皇太子が座ることを失念していたせいか、


挨拶もせずに図書館で借りてきた本に没頭していたところ、


皇太子直々に話しかけられてしまった。


皇太子はいわゆる成功パターンで、


4月生まれなため一年近く歳が離れているせいか、


それとも皇族の凄みなのかは知らないが


ものすごい威圧感を感じて動けなくなってしまった。


「ミルフィーユ、無視をするきか」


…こういう高圧的な人、苦手なんだけどなぁ


「…申し訳ありません、どうなさいましたか、皇太子殿下」


「どうもこうもない。なぜ挨拶にこない」


…これだから皇族は


「申し訳ございませんでした」


「d」


「はーい、授業始めるぞー」


…助かった。


皇太子が口を開いた瞬間、先生が入ってきてそのまま口を閉じた様を見てほっと息を吐いた。


「このクラスの担任を務める、ザヴァラン・K・バイエルだ。」


Kってことは伯爵家の人間か…


学園の教師を務める人は大体は男爵か子爵だから教師陣の中ではかなり高位なことが伺える。


まぁ、公爵家と伯爵家には大きな壁はあるが。


「とりあえず、この学園にいる間は爵位は機能しない、全員平等だと思え」


この席順でよう言えますね


というか、隠し攻略対象と書かれていただけあってイケメンだなぁ。


隣の皇太子には負けるけど、ヨハンよりはかっこいいんじゃない?


「と、いうことで、クラス委員を決めていきたいと思う。希望の委員に手をあげてくれ」


そう黒板に描かれたのはいたて普通の委員会で。


貴族の学校でもそこは変わらないのだなと妙に感心してしまった。


目からチラチラと一番後ろに座っている私たちを気にするような視線が飛んできているが、


その八割は隣に座っている皇太子に向けられているのだろう。


それなのにも関わらず、我関せずというように口を閉じている様子を見て再びため息が漏れた。


おそらく先生も私たちが学級代表をやることを望んでいるのだろう。


Sクラスの学級代表は必ずと言っていいほど生徒会に所属する。


そんなめんどくさいことをしたくないし、


委員会は全員参加なわけでもないから元々入るつもりはない。


でもこの重苦しい雰囲気をそのままにするのもなんだし…と思って皇太子に再び視線を投げた。


…が、反応なし


しょうがない


「すみませんがバイエル先生」


「なんだ?」


「私、学級代表をする気はありませんの、ですのでこちらを見られても困りますわ」


「じゃ、じゃあ…他の委員会とか」


「そちらも、する気はありません。学級代表は私ではなく、皇太子殿下がするべきです」


「貴様っ」


きっとこちらを睨みつけてくるけど


この雰囲気を見て何も発しなかった罰だと思え


というか、将来国の上に立つのだから、こんぐらいめんどくさがらずにやれよ


「わかった。私がやろう。ただ女の方はお前がやってくれるな?」


熱っぽい目でこちらを見ていると勘違いしたのか周りの女子から小さな悲鳴が溢れる


「お断りいたします。私、こう見えても忙しいので」


教室が、凍りついた

アフォガード・N・ソナタ


ミルフィーユと婚約中


ノーフォーク王国の皇太子


黄色に近い金色の髪に鈍い紫の目


家族構成は


父、母、父の3人の側室、弟、腹違いの弟が3人、妹

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