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Singalio Rou' Se lef  作者: 篠崎彩人
最終章「雪降る野原に、愛を繋いで」

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第七幕「Touching Views」

 螺旋を描き、視界に収まるぶれ、歪み、暗転そしてありのままへの回帰それら全ての能動性を失った、いやむしろそれら存在の存在の是非を問うことすら許されない私の渇き伸び切り潤滑な外部との接触を断ち切った心の奥底の生み出した、極度に静止した単色の画像の直中に、何もかもを巻き込み、貫き、 向こうへ向こうへと伸びていこうとする強力なる物が、緩やかに密やかに、到達点への短い天空旅行を進めている。歩み行く道がどれだけ惨い夢であるのかも知らず、ある一例として命と呼ばれる物への愛が、ある時点に於いて永劫断ち切られるのを知らず、舌なめずりをするのが克明であるのを認識する組織が形作られてすらいないのだと言いたげに、歪曲する曲線——それは零に至ることはない——は、幾つもの、何千万もの、時には何億もの実在、現象、形骸化された欲望、包含し得ない物質、ありきたりの刻印を押され時には不運にも絶叫の金切り声を上げながら破滅へと滑り落ちて行くだけのとある蒸気をも、意識に捉え得る最大と言い切れるだけの大きさを持たない巨大さを保った減速し入り乱れ続けるあ

まりにも種類の少ない色の中に、その内容量の異変に感づくこともなくたゆたわせている。あの時気づかず気づかずに観察を続けていたかったのだが時はすでに、私の居場所を透明な液状の内容のない球の中心に限定していた。泣いて懇願したが無駄だった。私の身体の穴という穴に踏み潰された枯れ草と良く似た幾つかのパターンが流れ込み、何処にあり得たとも知れぬ奇怪な貴族の建物のような良く構築された何らかが組み立てられて行き、混濁していた情報は理路整然と結合して、恐ろしく膨大なイメージを私の心に植えつけた。今でもそれは、私の心から取り除かれることはない。そして世界に投げ出された時、私は理解した。何もかもを含め全てが、飛期していくのだと。

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