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強すぎる超能力者たちの非常識な日常  作者: 娘を持つ大人
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1 異世界、行きます?

よろぴく



 笑う人類がいる。

 紅色のスパークを纏った海パンの男、スナイパーライフルを肩にかけるスーツの男、鎖を浮遊させる王様姿のショタ。


 立っているのはその三人。

 他は皆、死んでいる。見たくもない赤い贓物が転がり、辺り一帯は血の池だ。歩けばちゃぷちゃぷと音が鳴るくらいには酷い現場。


 たった今、3人対1万人の殺し合いが終結した。

 

 積み上がっている死体と遠方で倒れ込む死体。きっと上空でカメラを回しているヘリコプターに乗った人間もこれを放送しようとは思わないだろう。

 能力者の中で最強の三人。それと、協定を結んだ各国から派遣された軍人たち。幾ら強くても、能力者が1万人集まれば討てると思っていた。本気で。その結末が見えていたからこそ、国も撮影を許可したのだから。

 しかし、結果を見てみれば惨敗。三人は呼吸を乱すこともなく、1万人を殺し尽くした。

 犠牲者のみを生み出した悲しき戦争となった。


 核兵器?そんなもので殺せたのならば、躊躇わず発射スイッチを押しただろうに。



 あー、この人たち、生まれた世界間違えたんだろうな〜。



 ◇◆



「あ?異世界?」


 怪訝な顔をして、王様ショタ『キング』の頭にお花畑が作られていないかくまなくチェックし始める海パンの『リセット』。しかし、お花畑は見つからなかった。

 ならばなぜ?と、リセットは頭を抱えた。共に戦う盟友が頭沸いちゃった系の人ではこれから先関わっていくのは難しい。リセットは話の通じない方とはおしゃべり出来ないのだ。


「我は嘘をつかん。ついでに言えば、頭がおかしくなった訳でもない」

「異世界なんつう夢世界があったらさっさと旅だってるっつうの」


 分かってないね〜と、さも自分が全てを知っているかのように語るリセット。しかしこの男、たいして何もわかっていない。


「オリジン、説明を頼む」


 キングの秘技『困った時のオリジン』

 この世の全てを知っているオリジン。情報王の名を欲しいままにし、世界中のブラックなスクープを記者に流すというゲームが好きな変人だ。戦う際にはその全てを知る能力で狙いを定め、引き金を引く。

 スーツ姿のオリジンはかけていたメガネを外し、リセットのいる方向へと回転椅子を回して向き直る。


「先日、別世界との扉が開いた。最初の観測時はいきなり過ぎて対応が遅れたが、この間のは見事解析に成功した。行こうと思えばすぐにでも行ける」


 若干足りない気がするが、オリジンの言うことならば、本当のことなのだろう。


「ふーん。異世界ねェ・・・で?その世界はこの世界よりもマシだって?」

「魔物がいるからな」

「人よりも魔物の方がバリエーションあって楽しかろう?」

「・・・そういうもんだいかよ・・・」


 キングの行きたいという言葉につられてオリジンまでもが乗り気になってしまっている。

 ここで否定して、断るほどリセットは空気の読めない男ではない。若干の不安を抱えながらも、リセットは頷いた。


「わーったよ。んで?どう行くんだ?異世界」


「こうやって」


 オリジンが指をパチンっとやると、何も無いところから亀裂が発生し、鏡が割れるかのように広がっていく。ついに割れ、パリンっと音が鳴ると、その中から三人を引き寄せるように猛烈な風が吹いた。

 気圧でもおかしくなったか?そんな軽いノリでいる三人はゆっくりと立ち上がり、その割れ目に侵入していった。

 


よろしくお願いします

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