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6.そしていまでも
むかしむかし、あるところに、お菓子でできた町がありました。
まわりの国の人たちは、みんなそれを不思議に思いましたが、しかし中に入ってみようとは思いませんでした。
その町には、小さな、さみしがりやの女の子が住んでいました。
女の子はたくさんのお菓子はにかこまれてすごし、毎日クッキーのじめんの上を走り回りました。そんな毎日をすごしているものですから、女の子からは、いつも甘いにおいがただよっていました。
女の子には夢がありました。
いつか、このまちのそとのひとにあいたいな。
不思議なちからのせいで、女の子は町から出ることができなかったのです。
だから、女の子はいつも、町に入ってきてくれる人を待っていました。
むかしむかし、あるところに、お菓子でできた町がありました。
…そして、その町は今でもあります。
女の子は、ずっとあなたを待っています。
「まってるよ♪」
…いかがでしたか?
今回の作品では、あえて幼なげな言葉を使うことで、恐怖を演出してみました。
怖がっていただけたでしょうか(^^♪