2.つぎのひのこと
つぎの日、さみしくなった女の子は、男の子のすがたを見ようとしました。
でも、男の子のからだは、どれだけさがしても見つかりません。どうやら、たくさんのお菓子にうもれてしまったようなのです。
そのころ、町の人たちは、いなくなった男の子をさがしていました。町の中をみんなでさがして回りましたが、もちろん、男の子は見つかりません。
のこるは、お菓子の家だけです。みんなはお菓子の家をさがすことにしました。
「どんなばけものが出てきても、おれがたおしてやる」
いさましい男の人が、お菓子の家に入っていきます。
あとにつづいて、男の子を心配した人たちが家に入りました。村の人びとは、おそるおそる家の外から様子をうかがうばかりでした。
家の中には、なみだをながしている女の子がいました。男の子のことを思い出していたのです。
あんまりきれいに泣いているものですから、みんなはすっかりその女の子が好きになってしまいました。
男の人がなみだをふいてあげると、女の子はみんなのすがたに気がついて、ほほえみました。
うれしいな。もうさみしくないよ。
女の子は、みんなをたくさんもてなしてあげました。
そんなある日、ひとりがたおれてしまいました。そして、やがてまた長い眠りについてしまったのです。
女の子は、とてもかなしみました。大つぶの涙をポロポロながしました。
みんなは必死に女の子をなぐさめましたが、そのうちにまた一人もたおれてしまいます。
どうして。なんで。
みんなは、次々にたおれていきます。女の子は、ひたすら泣きました。
もう、なみだをふいてくれる人もいません。
みんな、眠っているように、幸せそうな顔をしています。
…もう二度とめざめないとは、信じられないほどに。
女の子は、泣きつづけました。
泣いて。
泣いて。
泣いて。
そのうちに、泣きつかれて、眠りにおちていきました。