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地底へ突入

久々更新なんだ。

お待たせして申し訳ない...

森近さんの頼みを聞いていろいろな機械を修理し香霖堂を後にした俺と河城。山に戻る前に人里による約束を覚えていてくれたので、寄ることになりました。やったね。

急ぎ足で人里に向かった。と、いうかそんなに離れていないのですぐに到着。

遠くから見た時は気づかなかったが建物が古い!古風で木造住宅!めっずらしいね。しかもみんな和風な格好。着物を着てる人がいっぱい。俺のいた世界とは違いすぎる。まるでタイムスリップした気分だよ。

まあ、異世界に来てやっと人間に出会えた。これだけでも喜ぶべきだろう。うん!そうしよう!


「なに一人で頷いているんだい?」

「強いて言うなら同族に会えて喜んでいる!」

「君もある意味人外だと思うけど?」


河城さんや?改造人間でも一応、俺は人間だぞ。右腕が改造されているただの人間だ。ここ重要。

心の中で虚しく解説をしていると俺の横を強い風が通り過ぎた。

だが別段、強風が吹いているわけでもなく天気も悪くない。ならなぜか?それは今日の朝出会った鴉天狗の射命丸文さんが通ったからだ。なぜ分かったか?今戻ってきたから。


「やっぱり黄泉さんじゃないですか!」

「さっきぶりですね」

「こんなところで何をしてるんです?にとりとデートですか?」


その言葉に俺は顔に火照りを感じながら否定する。


「そ、そんなんじゃないですよ!」

「そ、そうだぞ!今は新月が人間を見たいって言うから!」

「はいはいベッタベタな反応は充分です」

「文さんは何をしてるんですか?」

「私はこれから地底に行こうかと思ってまして」


地底?地底というとあの地面の奥深くにあって空間が広がっている場所のことかい?

なんでまたそんなところに行こうとしているんだこの人は。


「もしかして、噂の魔王のことかい?」


にとりの言う魔王とはあのファンタジーによく出てくる魔物の王、魔界の王で有名な魔王様のことですか?

幻想郷って...なんでもありだと今確信したよ。しかし、地底に魔王とはなんとも微妙な場所にいるねぇ。イメージ的には魔界で自分のお城の自室にある玉座にふんぞりがえり、高らかな笑いをあげてる...そんな偏見を抱いているんですが、幻想郷の魔王は違うのかな?


「まあ、そんなところでしょうか」

「あの〜....」

「どうしました黄泉さん」

「お、俺も地底に行っていいですか?その魔王にも会いたいですし...」


ちょっと怖いけど、どんな姿をしているか純粋に気になる!だって魔王だぞ?ゲームや話によってはカッコよかったりキモかったり可愛かったり美しかったりと外見が定まっていない魔王だぞ!会ってみたいじゃないか!!


「いいですよ。にとりはどうします?」

「僕は疲れたから帰る。帰りは頼んでいいかい?」

「もちろんですよ!さぁ〜行きましょう黄泉さん!私の手を握ってください!」

「え?は、はい」


文さんに差し伸べられた手を言われるままに握ると次の瞬間、俺は手を握ったことを後悔した。文さんは信じられないスピードを出して飛び立ったのだ。もちろん俺を掴んだまま。

声にならない声を叫びながら連れてかれる俺の声を文さんは聞こえてないのか、無視をしているのか、そのままスピードを落とすことはなかった。この時の俺は心に深くあることを刻んだ。

絶対に文さんの手を握らない...と





△▼△





何分経過したのだろうか......文さんに引っ張られながら音速の空間を味わっているが、いつ地底に着くのだろうか。そう思っていると不意に文さんの動きが止まり、着地の準備すらしていなかった俺は地面にドサッと落とされる。


「いった!ちょっと雑すぎないですか!?」

「あ、ごめんなさい。それよりも着きましたよ」

「へ?......うわぁぁぁ......」


それはなんというか。うわぁしか言葉が出なかった。想像していた地底よりも明るく、天上も高かった。ヒカリゴケみたいなものでもあるのだろうか?とても明るい。それになんか暖かいな。


「どうですか?」

「想像以上にすごい場所です...」

「そうでしょう?さて、この先に噂の魔王様がいるはずです。行きましょうか」


つ、遂に魔王に会えるのか。緊張してきた...!あ、会った途端に消されたりしないよな...?

文さんの後ろを付いて行くと、前方に橋が見えてきた。古風な雰囲気であるにもかかわらず手入れがしっかりとされているためか、かなり綺麗な状態であった。

さらに近づくと二つの人影が見えた。シルエットを見ると片方の人影にツノが生えている気が...


「あ、ほらいましたよ噂の魔王様」

「え?ど、どっちですか?」

「ツノが生えている方です」


少しずつ近づいていくとシルエットははっきりと見え始め、噂の魔王の容姿がちゃんと見えた。

その容姿は俺の世界では絶対に見ることはないような容姿であった。

髪の色は主体の色が青だが毛先は真っ赤に染まっていた。不思議なことに青と赤の境い目は混じり合ってはいるが紫色になってはいなかった。目の色は赤と青が共存しているように綺麗に二色の綺麗な目の色をしている。

返り血だろうか?白いタンクトップに赤い色が血飛沫のように付いており、右手には謎の紋章が浮かんだガントレット。いろいろな武器で武装された頑丈そうなダボダボなズボンを履き、頭に二対のツノが生えていた。

これが噂の魔王...なんというか想像していた感じとは違い恐ろしいと思えない。むしろ優しいイメージを感じる。


「お久しぶりですねアルマさん!」

「よう。でっち上げ記者だ」

「その言い方やめてくださいよ!!」

「はいはい。それでそいつは?」


魔王は俺を指差し、文さんに問いかける。


「この人は新月黄泉さんと言ってつい最近幻想郷に訪れた外来人です」

「ふぅん...俺は桐月アルマ。元魔王で今は魔人だ。よろしくな」

「し、新月黄泉です!よ、よろしくお願いします!」


ガッチガチに緊張している自分にアルマさんは笑いながら言った。


「カッタイナァ〜もっとゆるく行こうぜ?」

「あなたが緩すぎなのよ」


少しだらけた口調で喋っていたアルマさんに隣にいた金髪の女性が厳しい口調で言った。


「いいだろ別に〜」

「はぁぁ...その性格が妬ましい...」

「そう妬むなよ〜」


嬉しそうにニコニコと能天気に笑うアルマさんとは対照的に機嫌が悪そうな雰囲気の金髪の女性はため息をする。

金髪の女性の容姿はペルシアンドレスというものに近い服装。金髪のショートボブに近い髪型で緑眼。耳の先はとんがってるがエルフ耳というものだろうか?

こちらの女性も俺の世界では普通は見ることはない容姿だ。


「あの...そちらの女性は?」

「ん?俺の奥さん」

『へ...?』


恥ずかしそうにアルマさんの後ろに隠れる金髪の女性。そして、文さんはすごく驚いた顔をしているけど奥さんがいるという情報は知らなかったのだろうか?


「パ、パルスィさんと結婚したんですか!?聞いてませんよ!!」


どうやら金髪の女性はパルスィさんというらしい。


「だって地底で式したし、少数の方々しか呼んでないし」

「呼んでくださいよ!!」

「パルスィと仲がいい奴しか呼ばん!!」


そう言われショックを受けた文さんはあからさまに落ち込んでいる。

なんというか....アルマさんって俺が想像していた魔王という存在の中でどれにも当てはまらないキャラをしている。

なんというか...自由で怠惰。


「それに結婚してから地上に一度も出てない」

「完全に地底の住人じゃないですか!!少しは魔界の管理とかしてくださいよ!」

「大丈夫だろ。ドMと戦闘狂がいるし」


全然大丈夫に聞こえない。そう思うのは俺だけだろうか?


「あ、やっぱごめん。大丈夫じゃねえわ」


自分で否定しちゃったよこの人!?こんなマイペースな人初めてあったよ!!


「それで新月だっけか。お前は何しにきたの?」

「え?いや、ただ地底って響きに惹かれてきたっていうか...」

「それで文に心の準備もさせてもらえず着いてしまった、と」

「な、なんで分かるんですか!?」

「かん」


俺は漫画ばりにズッコケそうになった。本当になんなんだこの人は......

今も可笑しそうに笑っているがこの人すごく人生を楽しんでいそう。なんか羨ましい。


「そんでまあ新月君よ。君はどうゆう経緯でこっちの世界に呼ばれたんだい?」

「そ、それはですね...」

「そ・れ・は!この紫ちゃんがせっつめいしっま〜す!!」


何処からともなくスキマを作って現れたのは俺を連れてきてくれた本人である紫さんであった。相変わらず年相応の行為をしないよね。

感づいたのか紫さんはギロッとこちらを睨んだ。俺は口笛を吹きながら目をそらす。

呆れた表情をするアルマさんは軽く棒読みで言った。


「じゃあ紫ちゃん説明してよ」

「お安い御用よ!紫ちゃんに任せなさい!」」

「......若づくりした叔母さん」

「何か言ったかしら...?」

「紫ちゃんはとっても可愛くてピッチピチな十代のお姉さんです!」


わかればよろしい。そう呟いてスキマから飛び出し背中を突きつけていた刀を引いた。

まじでこの人年齢とかに過剰反応しすぎでしょ。次言ったら消されそう...


「紫...無理があるぜ?」

「魔人君?ちょっと黙ろうか...?」

「俺は正直な意見を言ったまでだ」

「少しはお世辞言ってもいいじゃない!!」

「やだ」


アルマさん...あの紫さんに負けず言い返せるあなたを俺は尊敬します...



アルマはどこに行ってもマイペース

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