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Phantom thieves  作者: 鮫田鎮元斎
第三章 進化の秘宝
25/80

STEP23 失われた文明

勢いに任せて新章に突入。

今まで誰も質問をしてこなかったことに触れてます。



 宇宙には、数多くの惑星が存在している。

 快適な環境の星、過酷な環境の星、貴重な資源が採れる星、何もない星…………。

 かつて人類は地球という限られた惑星にしか生息していなかった。

 しかし、その惑星資源が尽きる間近に生息圏を拡大させた。

 数多くの惑星へと旅立ち、新たな生態系を生み出したのだ。

 その速さはあまりにも速く。

 いかなる生物の進化よりも先に環境へと適応していった。







――――――とある雑誌より抜粋














☆☆☆


 その惑星には名前がなかった。

 かつて強大な文明があったとされるその星は、活火山の活動が盛んで今はだれも住んでいなかった。

 いや、生存できないの間違いか。

 惑星気温は100℃を超える。恒星の輝きがないのがせめてもの救いか。その温度はすべて火山活動によってのみ賄われている。

 あたり一面溶岩が噴出し、無事な場所も火山灰に覆われている。火山性のガスにより呼吸はままならず、常に大地は揺れている……。

 だが、この地にもかつては人が住み、文明があった。

 

「……それも昔の話――――みたいだな」


 エミリアは火山灰の中から扉を掘り起こした。

 人がかろうじて通れる大きさの、点検用のハッチだ。


「そもそも、この地で人間が生きることができたってこと自体嘘っぽいでしょ。大方、軍が極秘施設を隠すために作ったデマ、じゃないんですか?」

「そんなこと言ったら、今のボクたちが存在しているほうがもっと嘘っぽいぜ」


 エミリアは持参したスコップを隙間に差し込み、てこの要領で扉をこじ開けた。

 真黒な穴が現れる。


「どういうことでしょうか?」

「なぁサラちゃん。ボクたちのご先祖様が猿から進化したのっていつごろか知ってる?」


 エミリアを先頭に中へ潜入し、最後にネロが扉を再び閉めると、外の安全を確認し防護服のヘルメットをとる。外とは打って変わってひんやりとしていた。


「えっと……」

【通説では類人猿とチンパンジーが分岐したのが700万年ほど前、さらにそこから人類の祖先につながる種が誕生したのは200万から100万年ほど前と言われております】

「……だ、そうです」


 M.I.C.のほうが知識量では勝っているようだ。


「まーご先祖様が完全な人類って呼ばれるようになるのは大体30万年位前らしいけどな。そして人種の分岐は数万年かかりましたとさ。さぁてここで問題です! 少なくとも連盟が記録している中で、人類のさらなる進化にかかったとされる時間は?」

「……長くて、3000年」

「いわれてみると短いですね」


 出口が現れた。足場が存在しているか確認しながら外に出た。


「だろ? あまりにも進化が速すぎるんだよ」


 古代の人々が作り上げたドーム。

 死の惑星で唯一の生きる方法だった。

 中はうっすらと明るく、物を識別するには困らない光量だった。


「このドームだって、どうやって作ったんですかねぇ……昔の技術で、さ」


 温度はかつての地球の平均気温と同じ、かつ過度な湿気はない。

 材料は石しかないはずだが、そう思わせない光沢、つや、硬度。

 明らかにかつての技術力では成し得ない偉業だった。


「なら、どうやって?」

「その答えは今回の獲物が教えてくれるさ」


 エミリアはドームの中心地、すべてを支えているように建つ神殿を示した。


「宇宙に数多く存在しているお宝の中でも別格の存在。秘宝って知ってる?」

「おとぎ話に出てくるという、あの秘宝ですか?」

「うーん……エクセルシアのおとぎ話は眉唾物が多いから何とも言えないけど、それとはちょっと違うな。現実の物はもっとすごい、とんでもない力を秘めているって話さ」


 宇宙には、奇跡としか言えない産物が数多く存在している。まるで誰かが生み出したかのような形をした自然物。


「噂によると、この文明は秘宝の代償を払いきれずに滅びたって話だ」

「まさか……生贄を捧げる儀式があったって言わないよな……?」

「そのまさか、さ」


 苦笑交じりにに言ったネロの顔が固まる。サラはそういった類の話が苦手なのか気絶しそうになっている。


「恩恵には常に代償が必要なものさ。若い生娘の血を秘宝は求め、年端もいかない少女達は腹を裂かれ血を吹き出し――――」

「いやぁぁぁぁぁぁっっ!」

「たかどうかはさておき」

「悪い冗談はよしてくださいなっ!」


 本気で怖がっていたサラは気絶する寸前であった。


「生き血をささげる儀式が行われていたっていうのは本当らしいんだよな、どうも」

「不気味ですね、その秘宝ってのは」

「だろ? でも、さいっこうに美しいんだろうな……血を浴びて真っ赤に輝く宝石ってのは」


 秘宝の名は”ブラディオニキス”

 人の血をすすり続け、文明が滅びた今も血を求め続けている。

 宇宙最悪のお宝。

 それに挑み、敗れ去っていた先人たちは口をそろえて言った。

 多大な犠牲を払ってもなお得ることができないお宝。

 その事実を、あえてエミリアは伝えなかった。

古代文明ってロマンがありますよね。

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