表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Phantom thieves  作者: 鮫田鎮元斎
第二章 天才アンドロイド
23/80

STEP21 終結

完全なスランプです。

詰んでます。


☆☆☆


 サラは懸命に走っていた。

 ネロに伝えていた作戦など全て嘘だ。当然、二つのプログラムを組み合わせたところで新たなプログラムが生まれるはずなどないし、第一時間がない。

 それなのに話したのには理由があった。

 自分たちの会話を誰かに聞かれている可能性があったこと。

 もう一つは真の意図を話したところで理解してもらえないことを知っていたからだ。


 目指すは移動用のシャトルの乗り場。

 この作戦はサラ自身が現場にたどり着く必要がある。

 世界最高のコンピューターチップを盗み出すためにも。


































☆☆☆


 セイレーンは地面に転がったいた愛剣を拾い、エドの方を背に納める。

 彼女の任務はエミリアの捕獲だ。


「貴方の運命が決まるときよ……」


 それに支障をきたす不確定要素――ネロは排除せねばならない。僅かにでも抵抗の意思があるのならば。

 少しではあるが、動こうとしているネロを蹴飛ばしうつ伏せの状態にさせ、その背中を押さえつける。彼女はエドの切っ先を後頭部の窪んだところに押し当てる。


「…………っ!」


 彼の首を切断しようとした瞬間、強い圧を感じた。

 見ると、目が――ネロの目が白く輝いている。


「な……にが…………っ!?」


 上下が反転した。気がつくと頭から地面に突っ込んでいた。そしてネロに見下ろされていた。感情のない、白い瞳で。

 すぐさま体勢を整え直し、剣を構える。何が起こったにせよ彼の実力はよく知っている、負けるはずはない。

 


「         」


 気は抜いていない。最大限に動きは警戒していた。

 それにも関わらずネロが目の前にいた。とっさに剣を振り上げるが紙一重で躱された。


「貴方……何者なの?」


 幾度も問いかけた質問に、彼は答えなかった。秘密だ、というように唇に指を当てる。

 

『今は、運命の時ではない』


 意識が落ちる。

 思考が停止した。

 体中の力が抜け、彼女はその場に崩れ落ちた。



 


















☆☆☆


 電源室へ侵入したサラは端末を取り出し、施設のシステムへ侵入した。

 まずは施設の掌握を完了する、安全を確保しなくては作戦が失敗する。


「あなた方にうらみはありませんが……失礼しますっ!」


 侵入したカメラの映像を頼りにスプリンクラーを誤作動させ、兵士たちが混乱しているすきにシャッターを下ろして分断してしまう。

 その後、M.I.C.のシステムへとアクセスした。


「………っ、これ」


 Mass Information Console.

 それがM.I.C.の正式名称であった。そしてプログラムコードは単純明快で、立った三つの命令しかされていない。


“学べ”

“進化せよ”

“正しくあれ”


「もしかして……完成していないというのは」


 人のように学ぶプログラム。この宇宙には数多く存在する。しかし、それらは人間を超えることはできない。与えられたオーダー以上のことができない、学んでもそれを生かすことができない。

 だが、進化を続けたら? 

 学習を続けるだけのプログラムから人間らしさを備えたものに、進化する時が来るのではないのだろうか?

 しかし、それには時間がかかる。それゆえ未完成。世界最高峰のAIとしては不完全な状態なのだ。


「……完成、させてみせます」


 サラはそこに一つ、命令を書き込んだ。


























☆☆☆


 気が付くと、よく見る天井だった。

 ネロは激しい頭痛で顔をしかめる。目の前がくらくらする。


【お目覚めですか? マスター】


 なじみのない声、いや音声だ。明らかに機械音声であることが分かる。


「誰だお前は……?」

【私の名はM.I.C. この宇宙で最高品質のAIプログラムです】

「っお前が?」


 ネロが体を起こし、あたりを見るとそこは見慣れた船室だった。

 もうすべてが終わった後だった。


「…………何がどうなったんだ?」

【と、言われましても何から話せばよいのやら私は生まれて間もない身どのように話せば理解力のない人間に話を伝えられるのか皆目見当もつきませんし第一私とてことの子細を知る由もなく詳細な情報などどうあがいても伝えることなどできず誤ったことを伝え亀裂を生んでもよくないことですので私としてはあなたへ不用意に事実を伝達などできるものな】

「御託はいい! お前の知る限りの情報を教えろっ!」

【ですが私の知りうる情報量は実に膨大ですので限られた時間であなたにすべて伝えるための時間がないのであなた様の命令に応えることは事実上不可能で】

「もういい! お前に聞いた俺が馬鹿だった!」


 長い。めちゃくちゃ長い。何気なく聞いたことを百倍くらいの分量で返してくるから話す気が失せる。


【むぅ……結論から申し上げるとエミリアという方は無事なのですがなにせそれに至るプロセスが長いので私のつたない文章力ではうまく要約して伝えることなど】

「無事なら、それでいい」

【はぁ……左様でござますか】


 無事でよかった。死んでいなくて……。

 助かったならそれでいい。

 ネロは安心してベットに寝転んだ。



 

続きが書けない……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ