第27話 夏休みの思い出
考えてみれば、一度もまともな方法で帰って来た事が無いよね。1回目はキョウガに負けて精剣を折られて送り返されて、2回目は言ってはいけない事を言って精霊王の怒り(本気じゃないけど)をかって送り返され、3度目はえーっと逃げ帰った訳だね。
「おや、早かったねぇ、天原?」
一応、人が居ないであろう修兵館の中庭に転移したんだけど、目の前に師範代が居たよ。さすがは師範代事情を知っていたとはいえ、全然驚かないや。
「あ、師範代、お手数をお掛けしました」
「いいや、構わないさ」
「助かります。今は何時でしょうか?」
「天原から、あのふざけた電話が入ってから1日さ、まだ朝の7時だけどねぇ。しかしなんて格好だい、相手の竜って言うのはやっぱり火を吹いたりしたのかい?」
別にふざけた訳じゃないよ、”今から異世界に行ってきます”と言うのは内容的にふざけていると思われても仕方ないけどさ。10日もシングリーフに居た気がしないけど、何処かでロスしたのかな?(行きも帰りもジルの独力だからズレが出たのかも知れない)
「いえ、ちょっと別の物と戦ってきたんですよ。焦げてるのは、炎の中に飛び込んだからです」
「何やってんだかねぇ? ところでこのまま帰るのかい?」
「3日って母には言っちゃったんですよね」
道場の誰かが置きっ放しのバッグを拾ってくれている筈だから着替えはあるけど、早すぎるのは良くないよね?
「じゃあ、少し付き合いなよ」
「はあ、交通費が掛からない所なら構いません」
「しっかりしているねぇ、ちょっと瀬戸内の方へだよ」
こんな経緯で、辻褄合わせで1泊2日のの旅行に行く事になったんだ。行き先想像通りだったけど、特に何も起こらなかったし、持ち回りで運転手をやらされていて、今年の当番だった百地さんには、師範代と2人だと緊張するからと同行を感謝された位だよ?
どうでも良いけど、その日の夕食はフグ料理だったんだ。絶対師範代には悪意があったと思うけど、僕としては素性の分かっている料理は怖くないさ!
だってシングリーフで食べた目玉焼きって、トカゲの尻尾がついてるニワトリっぽい家畜の卵だったんだよ?(コカトリスっぽいけど、害は無いんだ)
+ * +
少しは話は変わるけど、ジルことカジールは(アクシリスと言うより)モニカの所に戻ってもらったんだ。異世界に関して知識や経験を得るというのは次世代の精霊王としては重要な事だと思うけど、人を知るという事に関しては今現在のアクシリス王国に居た方が絶対に良いと考えたからだよ。
もしもモニカの身に何かあったら直ぐに駆け付ける事が出来る様にと考えなかった訳じゃないけど、次のシングリーフへの招待は意外な人物からの要望だったんだよね?
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ここまでの登場人物
+++ 魔人
・ダリヤ
サブヒロイン3人目
魔王の娘、御歳34歳の乙女
ツンデレっぽいですが、罠です!
・シャミール
現魔王
王者としての風格を漂わせる人物ですが、死期が近いですよ?
・ゲルト、クラウス、マティアス
魔軍の兵士、フェンリル戦で戦死
死に様はリアルに想像しないで下さいね?
・フレート
魔軍の兵士で魔獣使い
何故名前が出ているのかといえば、将来貧乏くじを引くからでしょうか?
・エアハルト
魔王子バックスの部下
弘樹に最初にからかわれた魔人
+++ アクシリス王国
・ヘイルズ伯
トーマと同僚だった人物で、交渉事を得意とします
伯爵家の末弟で兄達が早世した事で爵位を継ぐ
この人も曲者ですよ?
さて、3章も無事終了です。
ここまで来ると、この物語の仕掛けはお分かりでしょうか?
分かっていても感想には書かないで下さいね、メッセージを送って頂ければ正誤をお知らせしますよ?




