第16話 精霊王の怒り
「タリク様は創造主に会った事はあるのですか?」
「会ったといっては語弊がありますね、当時の私は何者でもない気楽な一精霊でしたからね」
あ、気楽って言ったよ、開き直っちゃったかな?
「印象に残っているものと、歴代の精霊王の記憶では、女性だった様ですね」
「へぇ、女性なんですか?」
「美しい女性の姿でしたよ」
意外だな創造主って、何故か男性を思い浮かべるんだけど? これは単に何処かの一神教のイメージかな?
「ところでカジールちゃんは女の子ですよね? タリク様も女性なんですか?」
「私は立派に男性体ですよ!」
あ、こっちも地雷だったらしいよ。まあ、今の僕を女性と思う人間は居ないから、こんな事を聞けるんだ。
なにせマッパだからね!
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こうして、精霊王の怒りに触れた僕は再び元の世界に戻された訳なんだ。ちょっと違う気もするけどね?
戻った先はちゃんと僕の家の風呂場で、時間も殆ど経過していなかったよ。精霊王の助言通りに近々、もう一度召喚される事になると準備が
必要だね。最初の時みたいに、無断で外泊は不味いから、師範代辺りに事情を話して急に泊り込みのバイトが入る予定を作っておこうかな?
この時、僕は自分の備えが無駄にならなかった事を単純に喜んだけど、本当に無駄にならないかは別の問題だと気付いていなかったんだ。
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ここまでの登場人物
+++ 修兵館の人々
・宮田幸江
来島流刀術修兵館の師範代で40代後半の女性
若い頃は薙刀を習っていたが、修平との出会いで剣術に傾倒する事になった
ある意味ボランティアのカウンセラー的な事もやっています
・来島修平
幸江の夫、15年ほど前食中毒でこの世を去る。
兄と仲が悪く色々苦労させられた為に、来島の人間としては有り得ないほど気配りが出来た
ハイブリッド河豚の犠牲者
修兵館の名前は彼の名から取られたもの
・神宮,百地,山喜,近田
修兵館の門下生で、主人公の先輩達。基本的に社会人で剣道の腕は優れた人ばかりです
ちなみに皆さん何処かで挫折して、道を間違えました!
・来島辰紀
来島流の創始者、軍人だったが、上官に反抗した事で友人と共に酷い扱いを受ける
精神に異常をきたした友人と一緒に隔離される事になった
・桐谷
辰紀の代から来島に縁のある刀匠の家系
先代は優れた刀鍛冶だったが、現在の主人は殆ど商人で跡取りが祖父を目標に刀匠を目指す
+++ 精霊達
・カジール
語尾に”なの”を付けて話す、2章のヒロインですよ?
折られてしまった精剣に宿り、精剣の再生に手を貸します
上手とは言い難いですが、異世界に転移したり出来る
・タリク
現在の精霊王で、一応男性です
精剣の主に主人公を選んだのは彼の意図ではありません
精霊と人間の接触を制限しているのは精霊王で、同時に明るい方向に精霊を導く務めもあります
第2章も無事終了です。
ここまで読み進められた勘が鋭い方は、C.O.E.が何の略か分かるかも知れませんね?
第3章はかなり長くなる予定です、投稿再開までしばらくお待ち下さい。




