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転生した俺のスキルは荷物運び(重さ無効)ですが、 ダンジョンでは最強でした  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第9話 ギルドでの噂

「さて、今日は倉庫の依頼を受けるか」


 ダンジョンに入った翌日。

 ギルドへ行って、いつものように依頼を受けようとしていた。


「なんか騒がしいな」


 入ってみると、建物の中がざわざわとした声が聞こえてくる。

 混んでいるだけだろうか。


「昨日の撤退、助かったらしいぞ」


補給ほきゅう全部持ち帰ったって」


「荷物運びの奴だろ?」


 そんな噂話うわさばなしが聞こえてきた。

 ……いや、さすがに違うか。


「へぇ、依頼に追加されているな」


 今日はしないが、ふと見てみたダンジョンの補給依頼、そこには『優先人員あり』と書かれていた。

 優先人員って何だろうな。

 俺は倉庫の依頼へと向かい、内容を確認した。


児島コジマさん、少しよろしいでしょうか?」


 すると受付の女性から、呼び出された。

 どうしたんだろうか。


「昨日の件、報告書が上がっております」


 ダンジョンに行ったことか。

 報告書って、そういうのあるんだな。この世界においても。


「調査隊から推薦すいせんがありまして」


「……推薦?」


 そんなのあるんだな、推薦って。

 推薦なんて、就職活動以来だろうな。

 聞いていたであろう、周囲の人達が俺を見て噂をしていた。

 気のせいか、何にかと目が合った気がした。


「推薦だってよ」


「あの撤退、判断早かったらしいな」


「補給などをそのまま残さず、持ち帰れたってよ」


 これは完全に俺のことだろうな。

 見ているから。


「運搬だけだろ?」


「確かに、魔物を倒したとかじゃないが」


「だろ? 地味すぎるから」


「まあ、無駄はなかったんじゃないか。何もしていないに近いが」


 半信半疑の様子。

 俺がやったのは仕事だから。

 特段特別なことをしていないからな。


「なので、ダンジョン関連の運搬依頼を優先的に紹介できます」


「そうなのか? ありがとう」


 優先的にか。

 嬉しいことだが。


「とりあえず、本日はどうされますか?」


「倉庫の依頼を受けたくて……」


 苦笑いしながら、受付の人に伝える。


「そうなんですね、分かりました。こちらを受理いたします」


 という事で、今日は倉庫の依頼を行う事が決まったのだった。

 受付を離れて、ギルドの出口へと向かっていく。


「コジマさん!」


 すると、出会ったのは昨日一緒にダンジョンへ行ったリナだった。

 笑顔を見せていて、可愛かわいらしい。


「昨日は助かりました」


「いやいや、全然そんな事はないって」


 リナと話しているのを見て、周囲がまた噂話を。

 周囲の視線が、少しだけ集まっている気がした。


「あ、本当に活躍したんだ」


「……あの娘って、ダンジョンの調査に行っているだろ」


「やはり、行っているだな」


 俺よりもリナの方が有名なんだな。

 確かに、そっちの方が自然だが。


「さて、行くか」


 という事で、倉庫へと向かっていった。


「君はコジマだったな」


 仕事を始めるとき、倉庫番からそう言われた。

 覚えているんだな。


「そうです」


「今日も頼むな」


「はい」


 俺は仕事をこなしていく。

 リュックに木箱や袋を入れていって運んでいった。


「やはり早いな」


 ここでは気づかれないように、リュックへと入れていく。


「まぁ、はい」


 苦笑いをして、倉庫番に返事をしていく。

 荷物を取り出して、所定の場所へ置いていった。


「あいつ、昨日ダンジョンで何か成したらしいぞ」


「へぇ~」


 リュックを使って、簡単に持っていく。

 これを繰り返して、倉庫の中身を減らしていく。

 それで、今日の分は少し早めに終わっていった。


「やはり凄いな」


「どうして、ここでやっているんだろうな」


 他の依頼を受けた作業者がひそひそと話している。

 感心しているのか、嫉妬しっとしているのか分からないが。


「今日は無事に終わったな」


 倉庫番がそう感想を口にした。


「君はダンジョンで、その荷物運びを発揮はっきしたらしいな」


「は、はい」


 この話、倉庫番も知っているんだな。


「ダンジョンでも、その運び方をしたらしいな」


 どこから聞いたんだろう。


「他の作業者が口にしていた」


 そういうことか。作業者がひそひそ話していたし。

 だからか。


「今後も来てほしいが、もしなんだったらダンジョンで活躍してほしい」


 肩を優しく叩かれて、そう言われた。

 ねぎらっていることでいいんだよな。


「活躍するのを期待しているからな。で、また来てくれ」


「ありがとうございます」


 俺は倉庫番に頭を下げる。

 報酬ほうしゅうを貰って、倉庫を後にしたのだった。



 俺は何も変わっていない。

 周りの見方の方だった。

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