インボイス制度で気づいた、「大きな抗議で掻き消される声」
10月から制度が始まったインボイス制度
制度の施行前と開始後で、聞こえる声が全く違いますね
始まる前にデモで騒いでいた連中の声は今では全く聞こえること無く、実際に会計に携わってる人の声は、施行前の声とは全く異なります
私が揉めた自称「法律に関係ある商品を取り扱ってるメーカーの人間なのでちゃんと勉強している」という人
当事者なんでしょうね・・・・「免税事業者」で・・・・
インボイス制度で消費者から受け取った消費税を「納税しなければならない」人
「免税事業者」は「免除」です
『必要が無い』のなら「非」が付きます
消費税を納める必要がある、だけど特別に見逃してあげる、ということで「免除」
消費税を納める必要がない場合は、「非課税事業者」という表現になります
例として適当な数字で書きますが
メーカーから仕入れた免税事業者の流通店が、販売会社に売った場合
700円で仕入れて1000円で売ったとします
1000ー700で300円の利益
消費税10%を入れると
(1000+100)ー(700+70)で300円の利益+30円の消費税となるのです
つまり、消費税があろうが無かろうが、利益は300円という扱いで消費税は消費税という別枠
名税事業者の場合は納税が「免除」されるので、今までは決算時に収入に入れることができた
それが制度変更で購入する消費者(上の例では販売会社)が「仕入れ先控除の対象外」という形で払うことになりました
このこと自体は、理屈としては通っています
免税事業者から買おうが課税事業者から買おうが「消費には税がかかる」ということ
また、「消費税の免除」というのは「徴税」と「納税」の両方が関わってきます
「徴税」は消費者から受け取ることで、「納税」は税務署に納めること
「徴税の手間は惜しまないけど納税はやらないよ」という「自分が得をすることだけをやる」というのもおかしな話だと思います
そして、そういうおかしな話をしていた人達は皆声がデカかった
先の「自称ちゃんと勉強した」という人もそう
こちらは「なぜインボイス制度が増税なのですか?」と聞いただけなのに「免税事業者の話題『だけ』」
必死に話題を逸らそうとします
> 『請求書を発行していない「脱税」部分ですよね』
> ⇒これに関しては、完全に間違いです! 脱税ではなく、免税です! サラリーマンの控除と同じく、もともと税金ではない物です。それは裁判所の判決でも明言されています。
などと言いながら
> ご記載された『「請求書を作らず売り上げに加算させない」という手法』というのは、申し訳ありませんが、存じ上げませんでした。
自分で「脱税ではなく、免税です!」「裁判所の判決でも明言されています。」とか書いておいて「存じ上げませんでした」って何なんだよ
どんな裁判だったの?と
しかも「どうしてインボイス制度が増税なの?」という質問には答えないし
話題逸らしが明確です
そして最終的には
>まぁ、削除された感想に書かれていた「私にとっては大したことではないけど、対象の人は大変かもしれませんね」という内容から、ご自分さえよければいいという価値観で話されてるのかもしれませんが。
と人格攻撃
こちらとしては、当然のことながら「どうしてインボイス制度が増税なの?」とずっと聞き続けてるわけです
免税事業者の話なんて「一切関係ない」
関係無いんだから「知らんわ・・・その話・・・」
「納めるのが当たり前なんだから、納めない人は自分の裁量でなんとかしなさい」
としか言えません
何しろ私は「ちゃんと払ってますから」
払わなければいけない物、皆はちゃんと払っている物なのですから
当然払うべき物なんです
>ご自分さえよければいいという価値観で話されてるのかもしれませんが。
とか言っていますが、お客さんから「消費税」と言って受け取った物を「税務署に払わず自分の収入にする」
つまり客を騙してお金を受け取ってる方が「自分さえよければいいという価値観」だと思います
といった長~い愚痴ですが・・・
実際に始まってみると、今まで聞こえていなかった「声」が聞こえてきます
この制度に対する3つの問題
まず1つは「わかっていたことだけど思っていた以上にめんどくさい」というもの
この「めんどくさい」というのは、真面目にやってこなかった、「領収書まで変えなきゃいけない、残った領収書が無駄になる」と朝日新聞の投書欄にあった物とは違います
真面目に会計に携わっていたら、私のように決まった当初は知らなくても税務署から連絡が毎年届けば内容知ります
7年もあれば「領収書を注文する」ことでしょう
そのときに対応した書式に変えるだけ
連絡見てないから直前で慌てるんです
本題は、私のように「簡易課税」の事業者は問題ないのですが、「原則課税」の事業者は大変でということ
具体例で言ったら、「出張先でメモ帳買った。レシートしか貰わなかったんだけど、番号が書いてなかった」という場合に経費で落とせない、ということ
カード決済をした場合に「領収書を貰わなかったから後で連絡しなければならなかった」という話も聞きます
小さな取引でも番号が必要なのが大変です
(簡易課税は「年間の課税売上高が5000万円以下」の事業者で届け出れば「収入にかかる消費税」から算出する方式です
メリットもデメリットもあるのですが、インボイスの登録番号とか入力しなくていいので・・・免税事業者から仕入れしても「仕入れ額控除」の問題がありません)
で、2つ目
本来なら上の「自称ちゃんと勉強した」人が言うべきことなんですけどね・・・
事実、「増税」という部分があるんです
例の免税事業者が700(+70)円で買って1000(+100)円で売った場合
購入者(消費者)が100円の消費税を税務署に納める
この場合、仕入れ時に消費者となる免税事業者は70円の消費税を当然払ってるわけです
なので、70円が二重払いになります
実際の取引額も1000ー770で「230円」となり、「課税事業者」に転向しないと所得が減ることになります
このことは、私も「本当に法律に詳しい人」に聞くまで気づきませんでした
マスメディアでも書いてる記事を見たことがありません
最後の3つ目ですが、これは同じように思う人も多いことでしょう
インボイス制度と「仕入れ先控除」って関係ないですよね
もちろん法律としては「消費税法の改正」なので、指摘もしにくいのでしょうけど・・・
制度変更が決まってから8%と10%が混在状態になったので、「今まで問題なかったのに」ということもできないのでしょうが、私の感想としては「以前から問題になっていた『取りはぐれ消費税』を回収するため」の制度変更のような気がします
もちろん何の証拠も無く、「8%10%だけでなく、いろんな税率の消費税を導入しやすくなる」ことが目的だという意見もあります
一部の物だけを「嗜好品だから」と言うことで12%に変更とかがやりやすくなる、ということですね
施行前のマスメディアの声は、ほとんどが「免税事業者がやっていけなくなる」という声でした
私が気づいたこと、教えて貰ったこと、当事者に聞けばわかること
本来マスメディアが書くことは、これら3つのことだったと思います
それも、もっと速く・・・何年も過ぎた後では無く
『一部の大きな声だけを取り上げていたこと』は残念です