表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パートナーは誰ですか??  作者: 海歌月
迷い込んだのはアイドルの世界
6/19

6.パートナー!!

 ステージは大成功だった。


「すごく楽しかった!」

「はい!わたしも!」


 Usagiさんとのステージは、歓声が大きく拍手も鳴りやまなかった。


「ここまでうまくいくなんて……あなたのパフォーマンス、もっと見たいって思えたわ。」

「ありがとうございます。」

「……なんか一回じゃもったいないなぁ。せっかく息ピッタリで楽しく歌える人を見つけたのに……あ、そうだ!ユニット!ユニット組んでみない?」

「ユニットを……」

「ええ。あなたとなら、アイドルとしての最高のパートナーになれると思うの。マネージャーは、どう思う?」


 驚いて言葉が出ないわたしを置いて、Usagiさんはマネージャーさんと話し始めた。


「うーん……いいんじゃない?RiaさんのダンスはUsagiの歌を引き出して、UsagiもRiaさんのこと、よく見ていたわね。」

「うん、なんだか初めて一緒のステージに立ったとは思えないの。Riaに声かけてもらえたのが、今となってはいいきっかけだったかもね。」


 すごく褒められてる……

 お世辞でもうれしいなって思った。

 

「また一緒に歌いたいな。最初はちょっと意地悪みたいに言っちゃったけど……ふふっ、私ね、あなたのファンになったのかも。」

「……」


 Usagiさんの顔を見ると、少し照れたような顔で、心から楽しい、嬉しい、という感情を感じる気がした。

 それを見たわたしも嬉しかった。そして、もしそれが冗談だったとしても、伝えたいと思った。


「あのっ。」

「ん?」

「ユニット、もし検討していただけるのなら組んでみたいです。期間限定でもいい、お試しでもいいです。」

「……」


 Usagiさんは驚いた顔をして、その後、笑顔で答えを聞かせてくれた。


「組むなら、期間限定でもお試しでもないよ。」

「……!」

「わたしは中途半端なことは嫌だから。」

「……はいっ!」

「……そう。それなら、ちゃんとしないとね。」


 そう言うとUsagiさんは一歩下がり、わたしに向けて手を差し出した。


「Riaさん。」

「はい。」

「私と、ユニット組んでいただけますか。」

「……!喜んで!」


 わたしはUsagiさんの手を取った。


「ふふっ、それじゃあよろしくね。Ria。」

「ふえっ?!」

「ユニットのパートナーになったんだから、やっぱり呼び捨てで呼んで……って嫌だった?」

「嫌じゃないです……ちょっとびっくりして……」

「そっか。ならRiaも、私のことは呼び捨てで呼んでね。」

「えっ?!ええっと……」

「ほらほらっ?」

「う……Usagi……」

「うん!よろしくねRia!」


 これが、わたしたち2人がパートナーになった瞬間だった。


 ー・ー・ー


「へぇー。Riaちゃん、Usagiとユニットを……」

「はい。Usagiのマネージャーから申請があり、今後は2人のマネージャーを務めるそうですよ。」

「……そう。」


 少し薄暗い社長室で、秘書と社長が会話している。

 ……その手にはマネージャーからの申請書と、新しいユニットの申請書があり、社長業務としてそれに目を通していた。


「……あたしもRiaちゃん狙ってたのに。」

「いつの間にか、アイドルの1人をちゃん付けして呼ぶようになってるし、なんか狙ってるし……」

「麻里、一応あたし社長なんだけど。」

「ソウデスネー。」

「……っ!社長なの!」

「はいはい。目が悪くなりますから、部屋の電気つけますよ。」

「あ、バカっ!ちょっと怪しい社長の設定なのに!」

「どうか、その変な設定はお捨てください。あと、これから申請のチェックと入力するので、見終わったら返してください。」

「はーい。」


 秘書である麻里に部屋を明るくされ、仕事のしやすい部屋にされた社長室で、少し嬉しそうに、悔しそうに、社長Floriaは微笑んだ。


「どんなユニットになるんだろうな。」

「ところで社長、本日中に片付けて欲しい書類が……」

「……え。」


 ー・ー・ー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ