20.物語はまだ続く……
【ここで、本日の注目アーティストをご紹介しましょう!】
【みなさん、こんにちは!】
【『Wonder☆Land』です!】
芸能事務所『Floria」に所属し、わたしはRiaというアイドルになった。アイドルになって、同年代の友達も増えて、周りに合わせる退屈な日常が一気に華やかで大騒ぎになって楽しくなった。
そして何より、大切なユニットのパートナーに出会えた。色々あったけれど、それもまたわたしたちの関係をいいものにしてくれたと思う。
「……ねぇ、あの子達可愛くない?」
「本当だ!ええっと……『Wonder☆Land』だって!」
「今度ライブ行ってみる?」
「行こうよ!」
わたしたちの出演した番組を見て、歌を聴いて……興味を持ってくれる人が増えた。
ファンとしてわたしたちを応援してくれる人も……
最初は自分らしさを求めて始めたアイドルだったが、わたしたちを応援する声を聞いていると、アイドルを始めて本当によかったって思える。
「……ん?Ria、どうしたの?」
「え?あぁ、なんか……アイドル始めてよかったなぁって。」
「突然だね。」
「うん。」
「アイドルかぁ……確かに、私も始めてよかったよ。Riaとアイドルできる今が楽しいし。」
「本当?!」
「うん、本当。」
Usagiはあれから、わたしの前では素を見せてくれるようになった。アイドルとしてステージに立つ時は、これまで通りのお姉さんキャラではあるが、先生の性格が混ざった素のUsagiもカッコいいと思っている。
「……ところで?」
「ん?」
「昨日提出してもらった課題だけど……ひとつ、しょうもないミスしてたよー。」
「え、今言います?それ。ライブ前ですよ?」
「あははっ!Ria、勉強の話になると敬語になるよね。うーん……だって私はUsagiだけど、その前にあなたの数学教師である“佐倉卯月”だからね。」
「ゔっ……」
「まぁいいや、問題に関しては月曜日に問いただすとして……今日もステージ、頑張ろうね。」
「はい!」
普段は生徒と先生だけど……アイドルの時は相棒。
この世界にはたくさんのアイドルがいて、わたしたちは新人だから実力もまだまだだけど……でも、2人ならもっと遠くまで行ける気がした。
「ほら、Ria!行くよ!」
「あ、待ってー!!」
バーチャルアイドルの世界という不思議な世界で、わたしたちの物語はまだまだ続く……
―・―・―
ある日の昼、社長室では『Wonder☆Land』の報告書を見て、秘書に嬉しそうな笑顔を向ける社長がいた。
「RiaさんとUsagiさん、絶好調のようですね。」
「ええ!あの二人ならきっと、あたしたちを超えてくれる!初めて見た時から、ずっとそう思っているもの。」
「左様でございますか。」
「ねぇ?」
「はい、なんでしょうか。」
「二人のことも、お祭りに誘ってね?」
「仰せのままに。でも……何度もお誘いして、全て断られたらその時はご容赦をお願いしますね。」
「えー、やだ!!」
「あなたの兄様に言いますよ?」
「ゔっ……わかった。」
秘書の手にはひとつのノートがあり、ノートにはページを埋めるほどの大量のチェックリストが記入されていた。秘書は、社長であるFloriaの多すぎる要望リストを、呆れつつも楽しげに見つめた。
―・―・―




