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パートナーは誰ですか??  作者: 海歌月
迷い込んだのはアイドルの世界
18/20

18.気持ちの整理

それからわたしたちは、少しの間だけステージに立つことをやめることにした。

簡単に言えば、活動の一時休止というやつだ。


……きっとわたしがもっと早く気持ちを伝えられていれば、こんなことにはならなかった。


「……はぁ。」

「まぁ、暗いお顔ですね。」

「ほんとだねぇ。Riaちゃん、大丈夫?」

「ごめん、こんな顔しかできなくて……」

「Usagiさんとのステージを休止だなんて。あなたはUsagiさん一筋で、一番ファンなのにね。」

「うぅ……」


レッスンはあっても一緒にステージに立つ機会が無くなってしまった今、わたしは『théièreティエーレ』の2人に相談をしていた。


「整理しましょうか。まず、RiaとUsagiさんはお互いに現実での姿を見たと。」

「うん。」

「……で、それが想像とはかなり違う人で、しかも顔馴染みの知り合いだったと。」

「うん。」

「Usagiさんは、お互いの正体を見てRiaが失望したと思ってる。……実際は?」

「してない!」

「ふふっ、そうね。」


わたしの素直な声を聞くと、Annetteは笑った。


「なら、ちゃんと言わなきゃね。」

「うん……」

「Usagiさんは元々、自信がない。なら、ちゃんと言わなきゃ。あなたのことが好きだって。」

「……それ、告白じゃんか。」

「実際、現実だ誰であってもUsagiさんのことは好きでしょう?」

「うん。」

「その人に告白するんじゃないの。あなたが気持ちを伝えるのは、Usagiさん。」

「……。」

「あ、別にその人に告白してもいいのよ?」


「ねぇ、Riaちゃん。」

「……なぁに?」

「あたしたちはUsagiさんの正体が誰かは知らない。知っているのはRiaちゃんだけでしょ?」

「うん。」

「きっとUsagiさんにとっても、Riaちゃんって特別なんだと思う。Riaちゃんはどう?」

「……Usagiは、わたしの憧れで、どんな姿でも関係ない。特別……かはわからないけど、でもわたしは続けられる限り、ずっとユニットを組んでいたい。」

「なら、言ってあげて。」

「でも、それでも……ダメだったら……」

「言わない後悔より、言って後悔!あたしもそうだったでしょ?」

「……うん。」

「ちゃんと、伝えられるといいね。」



2人と話した翌日、わたしは先生と話すために放課後の職員室へ向かった。


「言わない後悔より、言って後悔。」


扉をノックして職員室へ入り、宿題を提出してから本題を出した。


「……先生。先日の件について、気持ちがまとまったので、話に来ました。」

「わかった、じゃあ……少し場所を変えようか。面談室を用意してくるから少し待ってて。」

「はい。」


ちゃんと伝えよう。

わたしの気持ち。

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