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パートナーは誰ですか??  作者: 海歌月
迷い込んだのはアイドルの世界
15/20

15.迷い道

 バーチャルアイドルは、普段とは違う姿で活動できる。

 でも、ユニットを組んだり、パートナーになったりすれば……バーチャルでの姿ではなく普段の姿で会う人もいるらしい。バーチャルシステムが起動できない場所でも会ったり、ミーティングしたりするなら、普段の姿を知っておくことは、ある意味では必要なことだったりする。


 ……でも、ユニットを組んでからこれまで、わたしはUsagiの普段の姿を見たことがない。


「……なるほど。それでマネージャーの私に相談したのね。」

「はい……」


 何故、これまでUsagiは普段の姿を見せようとしないのか。

 マネージャーなら、普段の姿も知っているはず。


「……ごめんなさいね。私からはUsagiの普段の姿がどんな感じなのか、どんな人なのか、言えないわ。」

「そうですよね。」


 もしかして、信用が足りないのだろうか?

 それとも……何か教えたくない理由があるのかな?


「……あ、Riaが信用されていないわけじゃないのよ。」

「え?じゃあ?」

「そうね……どちらかというと、Usagiが臆病なのよ。あなたに本当の姿を見せて、嫌われないかって。」

「嫌いになんて……そんなこと、絶対にありません。おばあちゃんだったとしても、年下だったとしても。もし、お姉さんじゃなくてお兄さんだったとしても……わたしは、Usagiがいいんです。」

「うん。」


「……Ria?」

「へひゃあ?!」

「驚かせた?ごめんなさいね。」

「あ、いいえ。」


 マネージャーに相談中、Usagiが来たことで話は中断した。

 ……結局、何もわからなかったな。わかったのは、Usagiが本当の姿を見せたくないと考えていること。


「……。」


ー・-・-


「嫌いになんて……そんなこと、絶対にありません。おばあちゃんだったとしても、年下だったとしても。もし、お姉さんじゃなくてお兄さんだったとしても……わたしは、Usagiがいいんです。」


 仕事が早めに終わり、マネージャーとRiaとの打ち合わせ場所へ行くと、Riaはそう言っていた。

 性別が違ってもいい。……それはUsagiにとって安心できる言葉であった。


 打ち合わせが終わり、Riaは明日までに終わらせたい課題があると帰って行ってしまった。


 ミーティングやレッスンを合わせるためにも、本当の姿は知っててもいい。でも、Usagiはそれが怖くてできなかった。

 もしも、姿を見てRiaが離れていってしまったら?パートナー解消をしたいと言われたら?

 せっかく見つけたパートナーを失うくらいなら……このままの方がいい。


「Usagi。」

「マネージャー、どうしましたか?」

「見せていいんじゃない?Riaは、きっと受け入れてくれる。」

「はい。でも怖くて……。」

「そうよね、ゆっくりでいいわ。タイミングなんて、それぞれだもの。」


 Usagiは、心の中で謝りながら……近いうちに絶対に、本当の姿を見せると覚悟を決めた。


「失望しないでね……Ria。」

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