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パートナーは誰ですか??  作者: 海歌月
迷い込んだのはアイドルの世界
12/20

12.わたしはわたしにできることを

 佐倉先生に休んでいいと言われ、家に帰ってから何もせずのんびりと過ごしてみた。

 普段は予習や復習のために使う時間、なのに、今日は何もしていない。


「……時間が進むの、遅いなぁ。」


 時間がもったいないな……何しようかな。

 せっかくなら、いつもやらないことでもしてみようかな。


 ………


 ……


 気づいたら、寝ていた。

 いつもの時間に目覚まし時計が鳴り、でも、たくさん寝たおかげで脳がシャキっとしていた。


「……よしっ!」


 いつもよりも早く学校へ行く準備も終わった。

 昨日分からなかった問題の解が、ふと思い浮かんだ。

 髪の纏まり方もバッチリだ。


 気分が良かったので、いつもよりも一本早い電車に乗って、学校へ向かった。


「おはようございます!」

「おはよう!」


 いつも交通安全を見守ってくれる地域の人に挨拶して、学校へ向かった。


「……河内、おはよう。」

「あ、先生!おはようございます!」


 昇降口で、佐倉先生に会った。


「……なんか、調子よさそうだね。」

「はい、たまには休むことも必要なんだなって思いました。……あ、あとで来週締め切りの課題提出しに行きますね。」

「……え、それ本当に休んだのか?」

「朝起きたら、計算式がスラスラ―っと。」

「そっか、じゃあ楽しみにしてるよ。」


 その日は、本当に調子が良かった。

 課題は昼休みに全部終わったし、次のステージの曲目の振り付けもすぐに覚えられた。

 おかげで、Usagiとの合わせのレッスンでも絶好調だ。


「よしっ!間違えずに踊れた!」

「ふふふっ……なんか、調子よさそうだね。」

「はい!」

「……最近、浮かない顔してたから心配してたの。やっぱり、Riaは笑顔で楽しそうにしているのが似合うわ。目を輝かせながら努力して、それがすごく輝いてて……そんなRiaを見て、私も頑張ろうって思えるの。」

「えへへ……そうなんだ。」

「最近、眉間にしわが寄ってたし、変なところで躓いて、ミスもして……でも、もう大丈夫そうね。」

「はい。」


 わたしは昨日、ゆっくり休んで分かったんだ。

 無理して頑張らなくていい、たまにはゆっくり休んでいい。

 わたしは、わたしにできることを、わたしのペースでできればいいんだ。


 ー・-・-


「……永遠ちゃん。あたしも行けるかな、あのステージ……立てるかな?」

「絶対立とう、一緒に。」

「うん。」


 Riaに招待され、ステージを見に来た茉姫は手をぐっと握り、永遠と頷き合った。

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