表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パートナーは誰ですか??  作者: 海歌月
迷い込んだのはアイドルの世界
10/20

10.心配事はわたしにも……?

「さて、河内さん。昨日の、テストについてお聞きしようと思うのですが……」

「うっ……」


 朝、学校に登校して……昇降口で、ばったりと佐倉先生に出くわしてしまった。スルーしようとすれば、さわやかな笑顔で「おはようございます。河内さん。」と声をかけられ、その目は笑っていない。


「な、何のことでしょうか?」

「昨日行った数学の小テスト、50点満点中49点でしたね。」

「ご……合格点でしたけど?」

「あなたは合格点で満足でしょうか?」

「え?はい。」

「……へぇ。」


 なにこれ?!怖い怖いっ!!


「たかが1点と思ってるだろ?」

「あ……」

「いいか河内、たかが1点。……されど1点だ。」

「……あぁ。」

「たったの1点だとしても、その1点の分、理解ができていないということ。つまり、その理解ができていない範囲は今後増えていくと考えれば……」

「はぁ……」


 登校してきて早々……まさか説教されるなんて。


「つまり、合格したからといって……」

「あははっ、藍梨が佐倉先生と話してる。」

「あ、先生だー。おはようございまーす。」

「おう、おはよう。」

「先生、今日も質問に行っていいですかぁ?」


 気づいたら、周囲には佐倉先生と話したい学生が、うじゃうじゃと来ていた。

 ……逃げるなら今かな。


「では、失礼します。」

「あ、ちょっと!」


 先生には悪いけど、わたしは今暇じゃない。茉姫のために、わたしができることを考えないとなのだから。

 それだけじゃない。わたしはアイドルになったんだ。Usagiに幻滅されないように、もっとわたしが輝けるようにならないと……そのために、わたしと向き合って、勉強もレッスンも頑張るって決めたんだ。


「……河内?」

「先生ってば!」

「あぁ、はいはい。」



 ……放課後。

 今日はレッスンがないので、学校の図書館で課題をすることにした。永遠と茉姫とは、レッスンがない日は作戦会議をすると話していたが、今日は茉姫が所属している聖歌隊の活動がある日らしい。


 課題もあっさりと終わってしまい、早めに提出でもしようかな……なんて考えていた。


「……早く帰りたいし、提出しに行こう。」


 朝みたいに説教されるのは面倒だから、先生が不在だといいなと考えながら職員室に向かった。


「……失礼します。」

「はい、どうぞ。」

「佐倉先生からの課題を提出に来ました。」

「あ……佐倉先生は今、会議中なんだけど。」

「大丈夫です。置きメモ用意するので、それと一緒に置いていただけますか?」

「分かりました、いいですよ。」


 そういえば、すっかり忘れていたけど。朝、会議があるって言っていたな。

 まあ、そっちの方がいいけど……


「はぁー、会議終わった……」

「あら、佐倉先生。御用の生徒さんが来てますよ。」

「え?僕に用ですか?」

「はい、そちらの……」


 ……なんという、タイミングの悪さ。とりあえず、逃げるか。


「あ、河内か。なんか分からない問題でもあった?」

「いえ、課題の提出に。……では、失礼します。」

「待て待て、ちょっと話がある。」

「な、なんですか?」

「河内さ、最近何かあった?」


「……え?」


 これは、何か嫌な予感がする……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ