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46話 上陸

 夜中の森の中、袴姿の男たちが荷車を引きながら、提灯で道を照らしながら歩いている。荷車を押し引きしている仲間の3人以外は、腰には大小二振りの刀を差していた。

 細い街道を数人で歩いていると、突如木々の間から刀を持った男たちが襲い掛かった。

「「うおぉぉぉおおお!」」

「な、なんじゃわいどん!敵じゃ!」

 荷車を守っていた護衛は6人に対し、襲ってきた敵は20人を超えている。

 刃がぶつかり合う音や、怒号が夜の森の中で響いていた。

 荷車を持っていた中間も、腰に差していた中間拵えの木刀を抜くもすぐに斬り殺されて地面に倒れこんだ。

 敵の死体が地面に転がるより先に、護衛の1人が倒れた。

 5人は荷車を囲うように立つと、襲ってきた男たちはそれをぐるりと取り囲んだ。

「さっさとそいつを渡せ。そうすれば殺しはしない。」

「渡すわけにはいかん!こんた殿に届けんにゃならんもんじゃ!」

 にらみ合いが始まると、静まり返った森の中で道を歩く音が聞こえてきた。

 護衛も奇襲をかけてきた男たちも誰の足音か耳を澄ませていると、街道の下のほうから提灯の明かりが近づいてくる。

「Shall I help you?(助けてやろうか?)」

 煙管を加えて統一語を話した少女の顔は、提灯に照らされて不気味に笑って見えた。

「なんだ貴様!こいつらの仲間か!」

「I have no particular use for them, but if they get in my way, I'll have to kill them...(特に用はないんだが、邪魔をするようなら殺すしかないな…)」

「やっちまえ!」

 荷車を囲んでいた男たちは、半数が少女の周りを取り囲み、刀を向けた。

 護衛の男たちは、少女に気を取られまいと、刀を構えて敵をにらみつけていた。

 少女が煙管をしまうと、腰の刀をゆっくりと抜いた。

 男が切りかかってきた瞬間、刃を相手の刃に沿わせ横に払うと、懐に入り込んだと同時に股間から肩にかけて切り裂き、刃の向きを変えて喉元を切り裂いた。

 次に切りかかってきた相手の刃を、半身翻しながらよけ右から喉元に刃の切っ先で切り裂いた。

「な、なんだこいつ強いぞ!」

 次に斬りこんできた敵も、一歩後ろによけ、刀を左手で持って右手は刃に添え、懐に入ると同時に胴に突き刺し、刃が貫通する。

「がっ…!」

 刃を抜くと、上段に回しながら刀を首筋に添えそのまま切り落とした。

 一気にかかってくると、一歩前に出て数本の刀をよけ、1人の手を斬りつけ手を離させると、柄頭をもって正面に立っていた敵の頭めがけて力をこめると、刃はそのまま男の頭を貫き男は倒れる。そのまま左手に握った自分の刀で手を斬りつけてうろたえる男を斬りつけ、懐に刃を入れた瞬間、いっきり首を斬りつけた。

 流れるようにして、気が付くころには取り囲んでいた敵すべてを斬り殺すと、今度は荷車に張り付いていた10人のほうにも近づいた。

「くっそぉ!斬り殺してくれるわ!」

 男が切りかかろうとした瞬間、破裂音と同時にどこからともなく飛んできた弾丸によって男の頭は貫かれた。

 今度は何かと思っていると、次々に飛んでくる弾丸に男たちは倒れ、ひるんでいると今度は目の前の少女に斬り殺される。

 そうして、瞬く間にすべての敵がたおされてしまった。

 護衛の男たちが驚き固まっていると、異国の服を来た金髪の少女が先ほどの少女に駆け寄ってきた。

「Wendy, were you all right?(ウェンディ、大丈夫だった?)」

「It's okay. Where's Lotti?(私は大丈夫。ロッティは?)」

「I'm okay too! More importantly, who are these people?(私も大丈夫だよ!それより、この人たちは?)」

「Oh, I forgot. Are you all right?(あぁ忘れてたよ。大丈夫かい?)」

 それでもなお、護衛の男たちは固まるが、唯一自分たちに問いかけられているということだけはわかった。

 返答に困っている間に、ウェンディは懐から紙を取り出すと、刃についた血を数回ふき取って、紙を捨てると、刀を鞘に納めた。

「わ、わいどんな何者じゃ。」

「Ah yes, I forgot about that, sorry.(あぁそうだった忘れてたよ、すまない。)」

 少し考え込んでから、ウェンディはもう一度口を開いた。

「ダ、大丈夫デスカ?ケガハ、アリマセンカ?」

 日本に住んで十数年生きて、ここで外国人の気持ちになって日本語を学ぶことになるとは、思ってもみなかった。

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