24話 クインシー冒険者ギルド
「いらっしゃいませ~。冒険者ギルドへようこそ!」
扉を開けると、受付嬢が元気に挨拶をしてくる。
酒場が横に併設されているタイプのギルドで、少女3人と巨漢の男が受付に向かっていると、とても目立つ。しかも少女の1人が煙管を咥え、もう1人はメイド姿、もう1人はローブをかぶってるとなれば、目立つのも当たり前だ。
「…あの男、何者だ?」
「あれじゃない?この前登録がどうのって騒いでた……。」
カルノー何したの…。
当のカルノーは、ギルドの中をきょろきょろと見渡している。ヴォルフとシエラを探してるのかもしれない。
カウンターに行く前にクエストボードを見に行く。
クインシーの周りは地域によって出る魔獣が異なるとはいえ、強力な魔獣などまず出ない。そのためほとんどの依頼書にはほとんどがブロンズを示す『br』もしくはブラスを示す『B』が書かれている。
「リリー、カルノー、2人はヴォルフ達がやりそうな依頼を探して。もう依頼を受けてるかもしれないから、私とロッティはカウンターで聞いてくるよ。」
そう言い残すと、ウェンディとロッティはカウンターの方に行く。
カウンターではほかの冒険者がクエストの受注や完了報告をしている。
ちょうど人がいなくなったカウンターの受付嬢に話しかける。
「あら、かわいいお客さんね。お嬢ちゃんたち、何しに来たのかしら?」
「何も言わず、調べてほしいことがある。のだけど、絶対に声を出さないで。」
そういうと、2人はギルドカードを差し出した。
「冒険者なのね。どれどれ…。ッ!これ……。」
受付嬢が声を上げそうになった瞬間、ウェンディの手が受付嬢の口元まで延び、ロッティは周りに防音結界の魔術を発動する。
「ウェンディ、結界は張った。これで何をしゃべっても聞かれることはないよ。」
「ありがとうロッティ。さておねぇさん、静かにしてもらえる?」
素早く首を縦に振る受付嬢の表情を見て、口元から手を外し、カウンターについていた手を放す。
渡されたギルドカードとウェンディ達を見比べていた受付嬢は、ギルドカードをカウンターにおいて話始める。
「お嬢ちゃんたち、何者?」
「…私たちがこの町に来た事は伏せておいて。それよりも、ヴォルフという冒険者について聞きたい。」
「……ごめんなさい。冒険者についての事は答えられない事が多いの。」
「じゃぁ今受けてる依頼は?」
「……現在町の北東部に発生しているギガントフロッグ討伐に、自身のパーティと初心者冒険者数名を連れて向かっているはずです。1時間弱前に受領したので、まだ町の中に居るかと。」
「ありがとう。お礼に、今度高難易度クエスト受けてあげる。」
一通り聞くと、カウンターのギルドカードを持って立ち去る。
結界が解けて緊張から解放された受付嬢は、椅子の上で大きなため息をついた。
そのまま無言でバッグに下がると、壁に寄りかかって胸をなでおろす。
「ん?ネネ、何かあったか?」
書類の束を持っていた男性が、受付嬢に話しかける。
「ギ、ギルド長…。とんでもない人が、来ました……。」
「とんでもない人?そんなクレームをつけてくるやつが来たのか。」
「いえ、そうではなく…。」
「どうした?」
「…ガンフェンサーとガンズウィッチが、今しがた受付にまいられました。」
「天才少女の2人か…?まさか、あの2人が来たのか。あの、冒険者ギルド始まって以来の天才、史上初のミスリルランク到達者……。」




