第７０話 エクスシスト ビキニング
祈念すべき第７０話に、大好きなエクソシスト関連を書くぞ。
この映画は以前に一度観た事があると思ってて、久しぶりにもう一度観ようと思って鑑賞した映画なのだが、なんと観たことがない映画だった。しかしだ、あれ～～このシーン知ってる、見た事あるゾ、の連続で、そもそも主人公のメリン神父を演じているのがステラン・スカルスガルドって俳優さんなんだけど、このオッサンがメリン神父役をやったエクスシスト関連映画は絶対に観た事ある、と、観てる途中で確信に変わった。
ちなみにメリン神父というのは、あのホラー映画の金字塔「エクソシスト」の冒頭で発掘調査をしている最中に悪魔の像だかを発見しちまって、その後、悪魔に憑りつかれたリーガンの悪魔祓いをやってる最中に最初に死んじまう神父がメリン神父だ。
そのメリン神父を主人公にして、エクソシストの前日譚として描いたのが「エクソシスト ビキニング」なのだが、観た事があるシーンがバンバン出てくるんだけど、あれ？ こうなるの？ これはやっぱり観た事ないな、と思ったりして、だけど第二次世界大戦中のシーンでナチスの中尉が登場するんだけど、このシーンなんて絶対に知ってるシーンで、そのナチスの中尉役をやった俳優さんも俺の記憶だと「絶対にこいつだった！」って覚えてて、いったい何なんだコレは？？？
俺は映画館に足を運んで映画を観ることもあるんだけど、最近は動画配信で古い映画なんかを随分と観る。そこでこの「エクソシスト ビキニング」を観たのだが、エクスシストで検索するとズラ～っといっぱいヒットするから、その一つ一つの粗筋を読んでいくと、あった。エクソシスト前日譚と称する「ドミニオン」という映画が。えええ？？？ ２つあるの？ エクソシストの前日譚って。そこでエクソシスト大好きな俺は速攻で観た。ドミニオンを。っで解った。前に観た事があるのはドミニオンで、ビキニングは初めて観た映画だということが。
しかしだ、しかしながら、２つの映画共に主役はメリン神父で、演じてるのはステラン・スカルスガルド。っでナチスのシーンなんて同じフィルムの使い回しだから中尉役も同じ人。っで映画のストーリーは非常に似ているのだが、微妙に違うのだ。なんだコレ？ 別の映画のフィルムって使っちゃっていいの？
っで調べてみて大笑い。
「エクソシスト ビギニング」は２００４年 レニー・ハーリン監督。
「ドミニオン」は２００５年 ポール・シュレイダー監督。
だけどこの２本の映画はほぼ同じ脚本、同じセット、主演は同じステラン・スカルスガルド。
だが最初に作られたのはドミニオンなのだが、結局、お蔵入りになってビキニングが制作・公開された。その経緯がすったもんだしてて、簡単に書くと次の通りらしい。
先ず最初に、あるプロデューサーが「エクソシストの前日譚」映画を作れば当たるんじゃね？ と企画し、ウィリアム・ウィシャーjrに脚本を依頼（ターミネター２の共同脚本家）。そしてトム・マクローリンを監督に起用したが、そのトムが脚本を気に入らず、降板。
っで次に、作家のケイレブ・カーが脚本をいじり、ジョン・フランケンハイマーが監督をすると報じられるが健康問題で降板。っでポール・シュレイダーが代わりに起用された。
っで２００２年１１月からモロッコで撮影開始。そしてローマでも撮影され、２００３年２月にクランクアップするが撮影費用は予算の倍になった。
そして試写したが、会社側は「もっと怖くしてくれ」と注文を付けるが、シュレイダーは「俺は脚本通りに作ったんだ」と編集を拒否。っでシュレイダーは首を切られ、この映画のお蔵入りが決定。
っでプロデューサーは、レニー・ハーリン（クリフハンガーの監督）に作り直しを依頼。
っで２００４年、製作費９００万ドルを超える「エクソシスト ビギニング」が公開された。っが興行は期待外れ。その時、首を切られたシュレイダーは「おおおお、これで俺の作品にチャンスが回ってくるかも」と言ってたとか。
２００５年。お蔵入りしていたシュレイダー版を期間限定で公開することが決まったが、追加予算はわずかであり、追加の撮影期間も短く、ビキニングで使った音楽の使用許可も下りなかったから、適当な音楽でツギハギをしたのが「ドミニオン」だ。だからなのか日本ではドミニオンの劇場公開はされないどころかソフト化もされていない、幻の映画………らしいぞ。
っでこの２つの映画の評判は、２つともが酷い。その２つに主演で出ているステラン・スカルスガルドが気の毒な訳なのだが、俺は、片っぽの映画の方は意外と面白いと思ったぞ。ホラーとは言えないけど。ただ、俺が面白いと感じた映画が「ビキニング」なのか「ドミニオン」なのか………分からなくなっちまった。要は大して違いはないのか？ いや、片方は確かに酷かったはずだ。
PS：映画の内容には全く触れなかったが、うん、悪魔祓い映画だった。
