第42話 映画版 イチケイのカラス
原作は2018年から2019年に連載された漫画らしい。そして映像化は、2021年4月から6月までフジテレビ系で放映された連続テレビドラマ。更には2023年1月にスペシャルドラマが放映されたのとほぼ同時期にスピンオフドラマが連続5日間放映された。そして映画版も2023年1月に公開。
ずいぶんと2023年1月に固め打ちしちゃってるんだけど、テレビのスペシャル版もスプンオフも、映画館への動員を狙ったんだろうね。
今ここで感想を書こうと思ってるのは映画版だ。というのも、俺はイチケイにのカラスは漫画も読んでないし、連ドラもスペシャルもスピンオフも一切観た事がことがないから、書きようがないのだ。
ちなみに今感想を書こうとしている映画版は、連ドラで完結したストーリーの2年後という設定らしい。
イチケイというのが東京地方裁判所にあるセクションの一つ「第3支部第1刑事部」の第1刑事部を略したもので、カラスというのは、これは恐らくなのだが裁判官の法服が黒羽二重のガウン形式だからなのだろうな。
黒羽二重って「くろはぶたえ」と読み、男性の和装では「黒羽二重五つ紋付」が最も格が高い着物で、現在でも正式な礼装は黒羽二重だ。そして「羽二重」って、経糸と緯糸を交互に交差させる織物で平織の一種なんだけど、経糸を細い2本にして織る羽二重は、軽くて光沢のある布になる。っで「黒羽二重」となると、最初っから黒を染めるのではなく、下染めの上から黒をかけて深みのある黒とするらしいが、下染めに使われる塗料によって、出来上がる布が上質かどうかが定まるというから、俺が思った通り、裁判官の法服をカラスとしたのであればの話だが、実際の法曹界で法服のことをカラスって呼んでいたのかな~? ちょっと違和感がある。
まぁそんな法服の事は置いといて、俺がこの映画を視聴した切っ掛けは、「イチケイのカラス」という意味はさっぱり分からない題名だったのだが、この映画がリーガル物だと知ったからだ。うん、とにかく映画でもドラマでもリーガル物が大好きな俺は、あの「Law & Order」ーーものすごーーーーく長い連続ドラマで1990年にシーズン1が始まり、2010年のシーズン20で終わったと思ったら、12年後の2022年のシーズン21で復活してきたゾンビのようなドラマなのだが、リーガル物が大々々好きの俺は相当に観た。あまりにも長くて、一度観たモノを再度観たこともあって、どのシーズンまで観たのか不明なのだが、「イチケイのカラス」という題名が、「おおおお、意味は知らんがセンスが輝る題名じゃん。っでリーガル物かよ」てんで観たのだ。
それでは映画の感想だが、ヒロイン役ーー坂間千鶴役の黒木華。1990年生れだから33歳。幼い頃から児童劇団に入ってて、京都の芸術大学俳優コースに進学、卒業後は演劇界で活躍し、期待の新人として注目されていたそうだ。そして2011年に映像作品ーー映画とかドラマに進出。
前もって書いておくが、俺は黒木華のファンなのだ。全然スレンダーじゃなくって、ちょっと田舎臭いんだけど物凄くチャーミングだと思うし、不思議なエロさみたいなものもあって、女優としても「さすが演劇で揉まれただけのことはある」って言うくらいレベルが高いって思う。うん。くどいようだが俺は黒木華のファンだから。っでその黒木華が演じた坂間千鶴なのだが………う~~~ん……もういっぺん言っておく、
「俺は、黒木華が好きだ!!」
しかし、この映画のヒロイン役を演じた黒木華を見た印象は、「……元横綱 稀勢ノ里に似てる」だ。
これは彼女が小太りだからではなく、役の設定がーーこれはテレビドラマ版を観てないからあくまでも映画だけなのかもしれないが、「正しいモノは正しい、そして間違ってるモノは間違ってる」というような、法で言う正義を唯一の拠り所とした人物で、その正義を追求することに情熱を掛け、恋愛や身なりなどにはあまり気を使わない女性って設定なのだろう。それ故に、化粧も薄く、髪の毛もフンワリとしたウェーブなんか全然なくてって、ペターーって頭に張り付いたような髪形。いや~~~彼女は絶対カワイイのに、あの化粧と髪形の黒木華って「実は稀勢ノ里の妹なの」って言ったら信じてしまう。ドラマでもあの化粧と髪形だったんだべか? だったらさ~~、スタッフだって大勢いて、3っか月も放送したんだから、誰か一人くらい「黒木華さんの見た目…ヤバイっす。ちょっと変えた方が……」って言ってもよさそうなんだけどな~~。
映画の内容はというと……なんだかな~~…って印象。ハッキリ言うと期待外れで大したことない。もっとハッキリ言っちゃうと、テレビのスペシャル版で十分な内容。
そしてすごく気になったのが、映画の中盤あたりに斎藤工が演じる月本弁護士が神社の階段から突き落とされて死亡するんだけど、「あれ~~ここでコイツ死んじゃうんだ、ふ~~ん」ってな印象で、もっとストーリに絡んでくいるのかと思いながら観てはいたんだけど、だからと言って死んだ事に大して驚きもしなかったし、映画を観終わってみると「月本弁護士って最初っからいなくたって別に問題ないよな」って思っちまった。要は「無駄死にだろコイツ」ってな印象。そんでもって「月本弁護士を突き落としたのは誰なんだ?」てな謎が出て来て、映像ではミスリードまでして引っ張って、最後の方で「実はコイツが犯人でした」って種明かしするんだけどさ~~、「はぁあああ? コイツがそんな理由で突き落としたの?」って具合に動機があまりにも弱いっていうかな~~。でもさっきも書いたけど、居ても居なくてもストーリーには大して影響のない人物が死んでも、「あら死んだわ」って感じで、ミスリードにも興味が持てなかった。
イチケイのカラスを観たことによって強く思ったのは、「薄化粧で髪の毛をペターーーっとさせた黒木華は稀勢ノ里に似る」だ。
うん、もういっぺん言う。俺は黒木華がだーーーいスキなんだぞーーーーー!




