第28話 ウィジャ ビギニング
2016年製作、アメリカのホラー映画だ。
この映画は2014年に製作された「ウィジャ」の続編なのだが時系列的には前日譚にあたる。
日本では前作、本作ともに劇場公開されていない。
ちなみに前作の邦題は「呪い襲い殺す」だ。そして本作の邦題が「ウィジャ ビギニング~呪い襲い殺す~」だ。
ハッキリ言っちゃうけどこの邦題考えたヤツって実はな~~んも考えてないバカだろ。
映画ってさ~、どんなに興行的に失敗作であろうと、裏方やら表に立つ役者やら、大勢の人が真剣に関わって数カ月、場合によっては1年以上もの歳月と労力と金を掛けて作り上げてるんだよな。それを考えたら製作者でもないクセにこんなバカげた題名なんて絶対に付けられないと俺は思うぞ。
どうせクダラナイ邦題しか考え付かないなら原題をそのいまま使った方が100倍マシだわ。
そもそも直訳とか翻訳で意味するものとは完全に違った題名をつけるのって……著作権に触れないのかな? どうなんだろう? いつか訴えられちまえばいいのに、ってマジで思うわ。
余談はそこまでにして映画の話に戻るが、このホラー映画は「かなり面白い」。
だが前作の「ウィジャ」は評論家からは酷評だったが興行的には大成功を収めている。しかし「ウィジャ ビギニング」は評論家から高い評価を受けながらも興行的にはイマイチ、イマニだったという。
俺の感想はというと、前作の「ウィジャ」はありふれたストーリーで最後まで視聴するのが苦痛だった。しかし「ウイジャ ビギニング」のストーリーは斬新だ、と俺は感じた。
前作「ウィジャ」の撮影裏話で面白い話がある。
一旦は撮影が終了し試写会をやったものの「なんだこのクソ映画は?」的な酷評が多かったために、大掛かりな撮り直しをやっちゃってんだよね。その結果、もともとはエリン・モリアーティという女優ーーあまり売れてないのか知らない女優ーーが出演していた場面が全部カット。全部だぜ全部。思い切ったことやるよな。そしてリン・シェイという女優が起用された。
しかし、リン・シェイという女優が演じた役は映画の途中からの出演だったと思うのだけれど、けっこう重要な役どころだったはず。これって、エリン・モリアーティの演技があまりにもクソッタレだったのが試写会で解り、脚本はそのままで代役としてリン・シェイを起用したのかな? 根拠はないのだけど俺は違うと思う。もうストーリーからいじらなければならないくらいの酷評だったもんだから脚本を書き直したらエリン・モリアーティの出番が無くなった、てのが真相じゃないかな? そうだったらスゲーぞな。もう一度視聴したくなったわ。
話を本題の「ウィジャ ビギニング」に戻そう。
この映画は斬新だと書いたが、何が斬新なのかというと、外国のホラー映画でありがちなのが、家族の中で誰か一人が幽霊の存在に気づき怯え、それを家族ーー多いのが両親に何度も何度も必死に訴えるのだが誰も信じくれないというパターンだ。これって多いよね。その手のホラーを視聴していると隣で一緒に観ている俺の嫁が必ず怒りだすんだよね。
「ほんとこの亭主(又は父親))だったらマヌケだよね。なんで信じてやらないの! ハラたつわ~~。ほら…今オバケ出てるのにあのマヌケ野郎は絶対に気づかないから…見てな。……ね、言った通りでしょ、ほんと大マヌケ!!」
てな具合だ。俺の嫁にとってこの手のホラー映画はストレスがたまり精神衛生上よくない。
だが「ウィジャ ビギニング」にはそれがない。
元々がインチキ霊媒師の母親なのだが、ある時期から末娘がホンモノだと固く信じ、不可思議な超常現象全部を誰よりも信じちゃて、それも善意の霊魂だと勝手に思っている、というストーリーだ。
この映画がどうしてアメリカでは興行的には上手くいかなくて、前作が大ヒットしたのかが全く理解できない。
余談になるが、最近のアメリカで制作されたホラー映画には全くもって期待していない。
ヨーロッパでのホラー映画って、国ごとでの話だが1年に1~2本しか製作されないこともあって、かなり練られたものが多い、って聞いた事がある。
そんな中でのこの映画はアメリカ映画なのだが、けっこう面白かったゼ。隣で一緒に観ていた俺の嫁も怒り出すことがなくて、ホっとした。




