第25話 ザ・ターニング
2020年に公開されたアメリカのホラー映画だ。
日本での劇場公開はされていない。
いや~~劇場で公開しなかったっていうのが正解だわ。
説明的な部分がくどすぎる映画も興ざめだけれど、この映画の「解釈はご自由に」ってのが、もう「ぶん投げ」状態で、もったいぶって伏線めいたシーンが随所に出てくるのだが、結局は何がなんだかサッパリわからん。
原作は「ネジの回転」って小説で、怪談小説かというと違うらしく、異常な状況下における心理的な駆け引きがテーマの心理小説。確かに「異常な状況下」という視点でこの映画を思い起こしてみると…それでも解らんわい!
小説の解説をネットで探して読んだが、小説でも「解釈は読者におまかせします」といった終わり方らしい。小説を買おうかとも思ったが、止めた。絶対に買わん。
兄マイルズ
妹フローラ
家政婦の婆
住み込みの家庭教師として雇われたケイト
大よその登場人物は上記の4名で、ケイトが主人公だ。
ケイトは当初フローラのみの家庭教師で、兄のマイルズは寄宿舎のある学校に行っているはずだったが、学校で問題を起こしたらしいマイルズは、ずっと屋敷にいる。
そして初対面の時から何故かケイトを嫌うマイルズ。
妹のフローラは両親が事故で死んでしまった事がトラウマになり「屋敷の外に行くと死んでしまう」と頑なに信じていて、私有地からーー巨大な屋敷で庭も恐ろしいほどに広いーー門から外には決して出ようとはしない。
ケイトは屋敷の裁縫室でマイルズの異様な悪戯ーーマネキンのおっぱいに複数の針が刺さっているのを発見し嫌悪と同時に恐怖を覚える。
フローラは屋敷内で誰かと話したり遊んだりしているようだ。
夜になるとどこからか声が聞こえる。
部屋で何者かに襲われる。
上記に書いた様々な出来事が全てケイトの視点で描かれていて、俺は「もしかすると、兄妹、それに家政婦が幽霊なんじゃねぇの?」と考えたりしながら視聴していたのだが、途中から「ケイトが幽霊か?」と思ったりもした。しかしケイトの母親が精神を病んでいて、そのシーンが幾度も出てくるから「母親の心の病って遺伝するもので、全部がケイトの妄想なんじゃ…」って思えてきたりもした。そう考えると、この映画の「語り部」はケイトなのだが、その「語り部」が語る物語ーー映像には信憑性がない……オイオイオイまじかよ。
そしてケイトの言動や行動、そして怯えから、ケイトが性的な「男に対するコンプレックス、又はトラウマ」を抱えていそうだな……ってな印象を持ったのだが……
そして物語はエンディングを迎えるのだが、俺は思わず声を張り上げた。
「はぁぁああああああああ??」
そうなのだ、俺が覚えた数々の疑問に何一つ答えないで映画が終わっっちまった。
散りばめられていた伏線なんてゼーーーーンゼン回収しない。
原作の「ネジの回転」を映画化する話は元々はスピルバークの企画だったそうなのだが、一旦出来上がった脚本を読んだスピルバークが「はぁぁああ?? 原作とまるでちゃうやろ! 止めや止め!!」てんで製作中止となったらしい。
そんな紆余曲線がありながらも映画化されたのだが、どういった訳だがスピルバークの名前など何処にもない映画となった。
この映画っていったい何なの? ある意味すごく斬新だ、とも思うが、俺は絶対に2度と観ない。




