すこぉし苦手です
本編終了しましたので手直し中です
この辺りは讃良の性格に合わせて文体を修正しました
讃良の話はコチラから
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以上、宣伝でした!( ̄▽ ̄;)
お借りした資料を返却して、お兄様の待つ席に帰ると、私を見留て優しく微笑み一言。
「面倒なのに絡まれる前に帰ろう」
相変わらず不敬なお兄様に促されて図書館を出ました。 馬車口に向かって廊下を歩いていると後ろから声をかけられました。
「リロちゃん薔薇が見頃なの。 庭で一緒にお茶は如何が?」
お声をかけてくださった王妃様は本日も麗しい。
「まさか殿下もいらっしゃるのではないですよね」
お兄様の目付きが怖いデス。
王妃様に対して不敬ではないですか?
「大丈夫、ルーイは今日はいないわよ」
王妃様は心が広いですね。 笑って赦してくださいました。
王妃様とお兄様と三人でイレブンシス。
名前がドイツ風なのにイギリスの習慣なのはおかしいって?
いえいえ、此処はドイツでもイギリスでもありません。 異世界デス。
「リロちゃん何か困った事はなぁい?」
おぉう!先輩のお心遣いがありがたい!
「王妃様は5歳の時に前世を思い出されたのですよね。 混乱されませんでしたか?」
このビスケット美味しい! 流石は王室のパティシエは違うわね。
「そうねぇ、5歳児の中身が25歳になったじゃなぁい? むしろ周りの方が吃驚よ。 でも、この世界は転生者が多いので対応も手慣れているのよね」
あらら? 随分と砕けた口調デスね。 王妃様の話し方の変化に戸惑っていたら
「あ、今は非公式なので普通にお話ししてね」
とニコリと笑って仰った。
「5歳までの記憶はどうだったのですか?」
お茶を堪能しながらお話し継続中です。
「そうねぇ、普通にあったわよ? でもね、たった5歳ですもの。 そんなには混乱しなかったかな」
今の私の状態について相談する事にしました。
「自分の名前は思い出せたのですが、何時どんな風に死んだのかは思い出せないのです」
そう王妃様に告げました。
王妃様は眉を潜めて答えてくれました。
「辛かったのね。 自分の死を理解できていないのかも知れないわね」
「自分の死を理解、ですか?」
お兄様が不思議そうな顔で尋ねました。
「そう、急だったり恐い想いをして死んだ人は自分が死んだことを理解できないのよ」
「恐い、想い……」
王妃様の答えにお兄様が顔を曇らせました。
お昼も近付きましたので、お開きとなりました。
「王妃様、本日はどうもありがとうございました。 それから、今の私はリーゼロッテの記憶がございませんので『ロッテ』とお呼びいただければ嬉しいです」
「そう、ロッテちゃんね、 解ったわ。 何か困った事があったら遠慮せずに何時でも相談してね? 約束よ」
ありがたいお言葉をいただいて城を後にしました。
「恐い想いか……ロッテ、無理に思い出そうとしなくていいんだよ。 ロッテでもリロでも、どんなリーゼロッテでも大切な妹なのだからね」
お兄様は少し辛そうに此方を見ながら仰います。
「ありがとうございます。 思い出すのに一年以上かかった例はないようなので焦らずに、でも頑張ります」
帰宅してお着替えを済ませて昼食なうデス。
「そうだ、食べ物の好みとかは変わっていないのかな? ロッテの好きな物はなんだい?」
お父様の問いに少し考えてしまいました。
「特に好き嫌いはないのですが、甘いものが好きです。……申し訳ないですがザワークラウトはすこぉし苦手です」
そう告げると皆が顔を見合わせて笑いました。
「リロもザワークラウトは嫌いなのよ」
皆さんご一緒に
「設定の魔法の言葉は『異世界』です」
少し手直ししました
(2022年1月16日、2024年12月28日)
内容は特に変わっていません。