自分の名前を思い出しました
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初めてのお給料が出て、今まで気になっていたパティスリーでお高いケーキを買った。
何時も見るだけだった花屋さんで花束をつくって貰って、ご機嫌で帰る途中に知らない男の人に声をかけられた。
そして―――
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あの後どうなったんだっけ? 目が覚めてふかふかのベッドの上で考えています。
おはようございます。転生生活も3日目のロッテです。 どうやら少~し記憶が戻って来ているようです。
とは言っても前世の方だけで、リーゼロッテとしての記憶はサッパリなのですが。
私が目覚めた気配を察知したかの様に、扉がノックされてエマの声がしました。
「ロッテお嬢様、お目覚めでいらっしゃいますか」
何処かに隠しカメラでもあるのかな?と思いつつ「はい」と返事をすると、扉が開いてエマが入ってきました。
「エマ、どうやら私は22歳だったみたいなの」
朝の支度を手伝って貰いながら雑談中です。
「記憶が戻られたのですか?」
心配そうにエマが見つめてきたので頷きました。
「死んだ?時の事は思い出せないんだけど、自分がどんな容姿だったか、とかは思い出しました」
黒崎讃良22歳。 新卒で入社したばかりで秘書課に配属されたところ。 黒髪黒目の中の上から上の下くらいの容姿。 有名大学を優秀な成績で卒業したので、エリートコースに乗りかかっていたってところかな?
茶道と合気道を中学生の頃から嗜んでいたので、礼儀作法は前世の記憶からみたい。
「でも何で死んじゃったのかは思い出せないのよね~」
あ、記憶に引きずられて口調が乱れちゃった。
私の話し方にエマはクスクス笑ってマスね。
「そちらがロッテ様の地でございますか?」
エマが意地悪だわ。
家族そろっての朝食のお時間。 ふわふわオムレツにカリカリベーコン。 ザワークラウトはちょっと苦手。
「転生前の記憶が戻ったといっても、文系だったのでお役に立てそうな知識はございません」
しょんぼりと伝えると
「そんなことは気にしなくてもいいんだ。 それより王立図書館の閲覧許可が出ているのだが、行ってみるかい?」
お父様が優しく答えてくれました。
「過去の転生者の記録ですね。 見てみたいです」
「それでは、私が連れて行ってあげよう」
お兄様がキラッキラの笑顔で仰ったので頷いた。
「ありがとうございます。 よろしくお願いいたします」
王立図書館ってお城の中にあるのね。 王太子殿下に逢わないように注意しなくっちゃ。
図書館の奥の部屋にある厳重に鍵の掛かった本棚、それを特別に開けてもらって数冊の資料ファイルを取り出しました。
二時間くらいじっくりと資料を読んで解った事がいくつかある。 転生は時代がランダムであること、記憶を取り戻す時期もバラバラで、生まれた時から記憶があった人や50歳過ぎてからの人もいるみたい。
王妃様と私、そしてその前の人は粗同じ時代からの転生だけど、前の前の転生者は地球でいえば18世紀後半の人だったらしいデス。
生まれた時から記憶があった人はともかく、覚醒が遅い人ほど人格が混乱しやすいみたい。
エマも言っていたけど、たま~に自称『ヒロイン』ちゃんが現れるらしいけど、投獄されて暫くすると正気に返るそうだ。
結局リーゼロッテの記憶がいつ戻るかは解らなかったけど、今まで1年以上戻らなかった人はいないみたいなので気長に待ちましょう。
あ、転移者はいませんでした。
勿論、聖女や勇者の召喚はありません。
召喚は誘拐!犯罪ですヨ。
ザワークラウトお好きな方はごめんなさい
私は苦手です
ほんの少し手直ししました
(2022年1月16日、2024年12月23日)
内容は特に変わっていません。
本編終了しましたので、手直し中です
讃良の性格に合わせて文体を修正しましたが、内容は変えていません
黒崎讃良の性格はコチラをご覧ください
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