お兄様に会いました
本編終了後の手直し中です
前世の性格に合わせて文体を変えています
内容は変えていません
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お父様は『変態』と口に出して言ってしまった事を後悔しているみたいで、ばつの悪そうな顔をしてマスね。そうよね、不敬よね。
「王太子としては大変優秀な方だ。 第二・第三王子との仲も良好で国民の評判も良い」
??あれれ? 見た目も良かったわよね? なのに不良物件なの?
「えっと、それで何が問題なのでしょうか。」
「リロに対する態度だ。 粘着質と言おうか、兎に角異常だ。 直近ではお茶会の後にリロの使用したカップを自分の部屋に持ち帰ったらしい」
え、それはキモいデス!
「天使ちゃんに何時も纏わり付いて、部屋にも姿絵を何枚も飾っているとか。 本当に嫌だわ」
お母様が眉間に皺をよせて仰るが、美人はどんな顔も(以下略)
翌日午後に殿下からお見舞いの花束が届きました。
『深紅の薔薇が99本です』って、エマが数えて嫌な顔をしていました。
「108本じゃなくって良かったんじゃない?」
私が苦笑いしながら答えたら、エマは溜め息を吐きながら教えてくれました。
「以前108本の薔薇を抱えて殿下がいらっしゃった時には旦那様が追い返されました」
王子サマを追い返した? それって大丈夫だったの?
「大丈夫です。 王太子殿下に関しての対応は陛下から許可を頂いておりますから」
……だからアンナさん心を読まないでください。
「ロッテ様は顔に出すぎです。 貴族令嬢としては少し端ないですよ」
――はい、申し訳ないデス。
その日の夕方にお兄様が転移門を使って王都の屋敷に着かれました。
あの両親の息子だけあって物凄く美しいデス。 顔はお父様によく似ているけど、髪の毛はお母様譲りのプラチナブロンド。 長身で立ち姿も素敵! まるで王子様みたい。……って本物の王子サマは変態だったっけ。
出迎えた私にお兄様は満面の笑みを浮かべながら仰る。
「リロ! 寂しかっただろう? お兄様が来たからもう大丈夫だよ!」
お兄様が両手を広げていらっしゃるわ。 飛び込んでこいって事かしら?
「お兄様、リーゼロッテでございます。 ロッテとお呼びくださいませ」
深く礼をして、頭を上げるとお兄様が石になっていらっしゃるわ。
何処にメデューサがいるのかナ?
お兄様の石化が解けてからサロンに移動しました。
「だからリロの記憶は全くないと伝えておいただろう。 転生者には良くあることだと、お前も知っている筈だろう?」
お父様がお茶の用意をエルガーに指示してから仰った。
「お兄様申し訳ないことでございます」
「天使ちゃんは悪くないわ。 ちゃんと説明しておいたのにフリードが忘れていたのが悪いのよ」
今日の紅茶はエルガーが淹れてくれる。
お茶をいただきながら家族団らん再開です。
「忘れていた訳ではないが、リロから初対面の様な態度をとられるとショックが……」
お兄様の頭にマボロシの伏せた耳が見えるわ。 叱られたワンちゃんみたいで可愛い!
「ところで王太子から見舞いの花束が届いたそうだが?」
「はい。薔薇を99本いただきました」
お父様の問いに答えると、お兄様の表情が険しくなりました。
「もちろん送り返したんだろうな?」
「いいえお兄様。薔薇に罪はありませんから」
答えて紅茶を一口飲む。 ニルギリかしら美味しい。
「ロッテは王太子がどんな変態か知らないのか!」
「まあ、色々と聞き及んではおりますが」
「だったら何故!?」
「先程もお答えいたしました。花には罪はございません」
きっぱりと答えるとお兄様が悲しそうな顔になりました。
やっぱり『リロ』と『ロッテ』では違うのかしら?
「心配してくださったのに生意気な口を利いて申し訳ないです、お兄様」
お兄様の手をとって顔を覗き込んで言ってみた。 お兄様ってば、お顔が真っ赤ね。 チョロイわね。
薔薇は色や本数によって意味が違います。
99本は永遠の愛、108本は結婚してください
少し手直ししました
(2022年1月16日、2024年12月22日)
話の内容は特に変わっていません。