王妃様も転生者でした
本編終了しましたので、手直し中です
この辺りは前世の性格が強く出るような話し方に変えています(モノローグ)
リーゼロッテの前世の話を投稿しています(宣伝)
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煌煌イケメンは王子サマみたいデスね。
と言う事は婚約者の私は悪役令嬢デスか?
お父様がアワアワしている私の手を握って、王子サマを睨みながら言われました。
「ルートヴィッヒ殿下、我が娘はまだ殿下の婚約者ではございません」
「『まだ』であろう!リロ以上に王太子妃に相応しい令嬢はいないであろう!」
ほほう、王子サマは王太子殿下でルートヴィッヒというお名前デスか。
「殿下が天使ちゃんに相応しくないのよ……」
お母様が下を向いてポソッと小声で呟いたのが聴こえましたヨ。
そして殿下は不良物件デスか?
「婚約に関しては何度もお断りしている筈ですが? それに殿下の婚約者候補は他にもいらっしゃいますよね?」
苦虫を噛み潰した様な顔で答えるお父様、不敬ですよ! 隠して、隠して!
「私はリーゼロッテ嬢以外の令嬢には興味ない! だから何度断られようと諦める気はない」
殿下とお父様の雰囲気は、どんどん険悪になっていきますね。
どうして良いのか解らなくてオロオロしている私に気が付いて、王妃様はニコリと微笑まれました。
お母様とは違う美しさだわ。
「二人とも落ち着いて、 リロちゃんが混乱しているわよ。 今はそんな話をしている場合ではないでしょう?」
そう言いながら王妃様は徐に立ち上がり、私の手をとって仰いました。
「転生者の扱いについては陛下と公爵の二人で話し合って頂戴。 リロちゃんは少し私に付き合ってね」
ほう、お父様は公爵でしたか!
そして王妃様、一体どこへ行こうというのかね?
王妃様に連れられて部屋を出て廊下を進んで行くと、少し開けた場所に着きました。 そこには例のピンクの扉が鎮座ましました。
「テッテレレッテ、テッテレレッテッテ~てーんいもーん」
王妃様が突然歌い出したのは聞き覚えのある例の曲! Σ(Д゜;/)/
人は驚くと声も出なくなるって本当だったのね。
真っ白になっている私を見て、王妃様は悪戯が成功して大満足のご様子デス。
「ふふ、驚いた?この転移門のデザイン、私のアイデアなのよ?」
「あのう王妃様、それはパクリと云うのでは…?」
と恐る恐る聞いた私に、王妃様はウインクしながら人差し指を唇に当てて答える。
「ナイショよ?」
やっぱり美人は何をしても絵になるわ。
皆のいる部屋へ帰るとすでに話し合いは終わっているみたいデスね。
お父様とお母様の機嫌は良くないようだけど、私を見て安心させるように微笑んでくれました。
「ロッテの記憶が安定するまで私たちも王都の館に滞在する。 フリードも領地の仕事が片付き次第此方に来ることになった」
やった、お兄様の名前GETだぜ!
「お兄様の名前はフリードと仰るのね?」
私の質問に殿下がポカンとした顔で私を見てマスね。
「フリードリヒだよ。 とても仲の良い兄妹だったので、甘えてやってくれ」
答えるお父様の後ろで王妃様がにっこり笑って口パクで『シ・ス・コ・ンよ』と言ってマスね。
「王妃様も転生者だったのですね」
帰りの馬車の中でお父様たちに尋ねてみました。
「王妃様は伯爵家の令嬢だったのだが、転生者と判ったのは5歳の時だ。 25歳くらいの知識があったらしく、いろいろ有って王家に囲い込まれたのだよ」
「それでも今の陛下とはとても仲の良い婚約者同士で、王太子殿下とは全然違います」
お父様に被せる様に仰るお母様、よっぽど王子サマの事が嫌なのね。
「私も王太子殿下と婚約しないといけないのでしょうか。 王太子殿下ってどのような方なのですか?」
「変態だ(よ)!」
お父様とお母様の声が揃いました。
王様の影が薄い…
少し手直ししました
(2022年1月16日、2024年12月22日)
内容は特に変わっていません。