私って、天使だった
名前はドイツ風ですが、異世界ですので細かいことはスルーしてください
部屋に移動する途中の廊下にかかっていた家族の肖像画を見て吃驚よ! お父様、お母様と一緒に天使のような美少年と美少女が描かれていたの。
後ろを歩くエマさんにこっそり聞いてみよっと。
「あの肖像画の美少女はひょっとしてひょっとすると私ですか?」
「左様でございますロッテ様。 彼方は十年前に旦那様が結婚十年目の記念に描かせた肖像画でございます」
やっぱり私なの!?
「リーゼロッテってこんなに可愛いかったの!?」
驚いて思わず大きな声がでちゃった。
「私とマチルダの娘だ。 可愛いに決まっている」
お父様が振り向いて仰ったけど、それって自画自賛ですから。
自分の姿を確認したくて、大きな姿見のある所に連れていって貰いました。
蜂蜜色の艶のある柔らかい髪に意思の強そうなコーンフラワーサファイアの瞳、その大きな眼の周りにはクルンと上を向いた長い睫毛。
陶磁器のようなすべすべの白い肌にピンクの頬。
スッキリとした鼻筋にプックリと形のよいピジョンブラッドの唇。
――まじ天使! しかもこのロリ顔にボン・キュッ・ボン!のダイナマイトボディー!!
顔はお母様に似ているけれど、髪と瞳の色はお父様似だな。
「ふはあぁぁ……」ため息しかでない。 この世界の令嬢って皆こんなに綺麗なの?
「いいえ、お嬢様は我が国でも指折りの美しさと評判でございます」
――アンナさん、心を読まないでください。
移動先の部屋でお母様が気絶から覚めるのを待って話し合いを始めました。
「『ロッテ』はリーゼロッテとしての記憶はどのくらいあるのかな? 転生前の名前などは思い出せないと聞いているが?」
「転生前の記憶は自分に関することはボンヤリとですが、生活習慣などに関してはハッキリとあります。 リーゼロッテとしての記憶は全く……申し訳ないです」
お父様の問いに答えたら、お母様がまた倒れそうな表情になってしまった。
「大丈夫だ。それでも私たちの可愛い娘である事にかわりはない。 それに、その内に思い出す筈だから、焦らずにゆっくりと構えていなさい」
お母様の手を優しく包みながら、私の方を見て答えてくれた。
「お父様ありがとうございます。 それで私はこれからどうすればよろしいのでしょう」
記憶がないのだ。 学園?に通っているらしいけど、どうしよう。
その時ノックの音がして、お父様の『入れ』と言う返事の後に扉が開き、そこから某『黒い』執事みたいなイケメンが入って来て一礼した。
「王家から呼び出しがございました」
イケメンが伝えた内容にお父様とお母様は露骨に嫌な顔をしているけど、何か不味い事があったのかな。
イケメンに見蕩れているとお父様が彼を紹介してくれました。
「ロッテ、彼は我が家の執事の息子でエルガーという名だ。 執事見習いとして王都の屋敷の管理を任せているので、何かあったら彼かアンナに言え」
ほほう、若いのに管理を任されているのか~。
それで王家から呼び出しとは何事かしらね?
「王家からの呼び出しは『リーゼロッテが転生者であった』件についてだ。 登城する準備をしなさい」
お父様は私に向かって言ってますよね? 私も登城するの?
私この世界のマナーってさっぱり分からないんだけど不敬で処されたりしないかな?
設定の魔法の言葉は『異世界』です
(字余り)
少し手直ししました(2022年1月16日)
内容は特に変わっていません。
主人公の前世の性格を強調する文体に手直し中です
主人公の前世の性格はコチラをご覧ください
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