アンネマリーはやり手?
本編終了後の手直し中です
独白部分を讃良からリーゼロッテが混ざった雰囲気に変えています
私は何時『家族から愛想を尽かされた上に、王太子殿下の婚約者候補から外された』のかしら? 『令嬢らしくない振る舞い』とは何をしたのかしらね。
「何方がその様な事を仰っているのかしら? お父様たちが私に愛想を尽かすなんてあり得ませんわ。 そもそも私は殿下の婚約者候補ではありません。 何年も前にお断りしているお話です」
笑顔を崩さない様に注意しながら尋ねてみました。
「もちろん私たちはそんな噂は信じておりません」
シュバルツ侯爵令嬢嬢は私の眼を見ながら話を続けました。
「ですが、一部の一年生と、三年生のヒンデンブルク伯爵令嬢のお友だちが……」
――噂の出処はアンネマリー様なのですか。 そうですか。
教室に入ると皆がチラチラと此方を窺っていますね。 どう対処するのが正解かしらね。
リロちゃんだったらどうしたのでしょうか。
「ごきげんよう皆様、ご心配をおかけしましたが、この通り体調はよろしくてよ?」
微笑んで告げると、何人かの女子生徒が近付いて来ました。
「お久しぶりでございますリーゼロッテ様。 不快な噂が流れていて皆心配しておりましたのよ」
「そうですわ。 あり得ない噂に皆が腹を立てておりすの」
う~ん、この人たちの本音はどうなのかしら。 腹の探り合いは苦手なのよね。
「先ほどシュバルツ侯爵令嬢にも伺いました。 本当に心当たりが無くて、困惑しておりますの」
そう言って教室を見回した。 ほっとして此方を見る人、疑わしそうにヒソヒソと話をする人たち。
反応は様々ね。 顔を覚えておかなくちゃね。
近付いてきた令嬢のひとりが頷きながら答えてくれました。
「ウルスラ様とお話されたのですね」
ウルスラ様? シュバルツ侯爵令嬢の事ねきっと。
「学園に着いて直ぐにご挨拶いただきました。 私の事をとても心配してくださっていて、とても嬉しかったですわ」
「そうですわね。 ウルスラ様とリーゼロッテ様は仲がよろしいですものね」
その後、授業が始まるまで情報収集しました。
噂は昨日あっという間に広がったらしく、ウルスラ様が激怒されたそうです。 仲が良いというのは本当みたいね。
それにしても1日で噂を広めるとはアンネマリー様は思っていた以上にやり手ですね。
先生方が気を使ってくださって、授業は聴講の形で受けました。 この国の政治や歴史なんてサッパリですものね。
そろそろリロちゃんの記憶が戻らないと不味いですね。
今日は学園の雰囲気に慣れる事が目的なので、お昼に迎えの馬車が来ました。
「エマは最後まで授業を受けなさいね」
そう告げるとエマは驚いていましたが、『もう少し情報収集してね』とお願いしたら納得してくれました。
帰宅して学園での噂をお伝えしたら、お父様たちの顔がとんでもない色になりました。
――美形が怒ると迫力がありますね。
前回、学園入学の年齢を間違えて書いてしまいました。15歳が正しいです。
少し手直ししています(2022年1月17日)
話の内容は変えていません