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高校2年の冬、僕は人を殺した。  作者: 小西行長
2章  No.15 詩人 ①共犯者
15/16

人の会 林の柱 陰陽師ー④

「理解できていないやつが多いだろう」

 神崎が息を吐く。



「分かりやすく説明してやるよ」



「まず、俺は警部の中に犯人がいることを教えてもらっていた、雨宮さんに。」

 さっきも見たため、もう誰も驚かなかった。神崎は、冷静に続ける。



「それを知り、俺は現場に迎った。この時点で、犯人は誰か分からず、警部は全員、容疑者だった。そのため、観音寺も天笠、お前らも疑っていた。」



「まあ、そりゃそうだ。私情に流されるなんて、警察はやっちゃなんねえ」

 眼鏡を上に上げ、天笠は言う。



「だから、白鯨に頼んで作ってもらったソフトを使うことにした。あとは、バレないように盗聴器をつけるだけ、さ。」



「でも、天笠さんは、なんで知ってたんですか。」

 1人の刑事が口を開く。少し笑い、天笠は言う。



「神崎の考えてることなんざ、手に取るように分かるよ。」



「それに、犯人がわかった時点で、神崎は俺に電話したんだよ。俺が、亜門の味方さえしてれば、亜門に隙が生まれる。だから、俺を襲わせている間に殺せ、ってな。」



「ああ、だが少し続きがある。」

 神崎は、緊迫したような声で続けた。



「詩人、と名乗る男と密談していた時、【人の会】という言葉が聞こえた。それは、政治にも繋がる宗教団体だったはずだ。それを、こいつは暗殺組織と言ったんだ。」



 周囲に、不穏な空気が流れる。



「それに、こいつが本当に【人の会】の四柱かどうかも、怪しいな。」

「えっ!?」 



「詩人と呼ばれる男は、こいつで俺を釣ろうとしていたらしい。もし本当に、あれだけ大きい宗教団体【人の会】の幹部なら、そいつを殺したら、相当な問題だ。裏で抗争が起きるぞ。」



「そ、それじゃあ、つ、つまり。」

「ああ、俺らは、ただ詩人に踊らされただけってことだ。そして、【林の柱】はまだ生きている可能性が高い。」



 また風が吹く。昼下がりの太陽は、怪しげに笑う神崎を、照らしていた。



「さあ、開幕だ。」

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