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高校2年の冬、僕は人を殺した。  作者: 小西行長
2章  No.15 詩人 ①共犯者
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人の会 林の柱 陰陽師ー②

「それは、その証拠は……。」

「早く言え!!」

 神崎が、陰った悪い顔で言う。



「警部全員に、盗聴器を仕掛けた。」

「えっ!?」

「やはり、気づかなかったか。」 

 冷たく笑う神崎からは、感情と感じられなかった。



「ど、どのタイミングで!?」

 明らかに、亜門がひきつった顔で言う。そろそろ、化けの皮が剥がれるな。



「1人ずつ解説してやろう。天笠は手を引っ張った時に、腕時計に着けた。」

「な、あんな短時間で、そんな馬鹿な!?」

 狐につままれたような顔をした天笠が、愕然とする。



「まぁ、とりあえず最後まで聞け。

 観音寺は、話している最中に不自然にならないよう、髪止めに着けた。

 空蝉は、掴んだ時に手についていたきらびやかな指輪に。

 小鳥遊は、捜査資料を見ている時に制服に。

 アバラは、掴んだときにネイルに。

 近衛は、賭けの時にサイコロに。

 最後は、亜門は、婚約指輪に。」



「だが、盗聴器7人分、どうやってその内容を聞いたんだ!!」



白鯨(はくげい)っていうやつは、表立って活躍しない天才ハッカー。だから、お前たち知らないだろう?そいつはな、いろいろなアプリを作ってる。その中に、音声解析ソフトと言うのがある。」

「そ、そのソフトが何だと!?」



亜門の声が裏返る。必死で否定するその姿は、醜いものだ。これで人格者なら、まだ俺の方が近いだろう。



「そのソフトは人間の言葉だけを文字起こししてくれる。AIのディープラーニングを使ったもので、まぁ、Siriの進化形のようなものだよ。」



「う、嘘だ!?私が追い詰められるわけ……。」

「ふーん、」



「お前の負けだよ、亜門!!」

 神崎が歩み寄る。徐々に近づいてくる銃口に、亜門はニヤリとした。

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