表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高校2年の冬、僕は人を殺した。  作者: 小西行長
2章  No.15 詩人 ①共犯者
12/16

人の会 林の柱 陰陽師ー①

 銃が指した先を、みんなが振り返る。振り返った先には……。



「おいおい、僕がやったって言いたいの?」

 その先には、亜門晴明がいた。



「いやいや……。こいつは、ありえない。だって、こいつは人格者として有名だろう。神﨑、お前、休んでいる間に狂ってしまったか?」



 天笠の言葉につられて、次第に周りの刑事も次々と疑い始める。それは徐々に、罵声へと変わっていった。



「はー、揃いも揃って、お前ら全員、バカだな。少しは、頭を使って考えてみろ。」

 神﨑のその声が、刑事たちの反感をさらに買う。セミの鳴き声よりもうるさく、わめき散らかす刑事たちに鬱陶しいということしか、神﨑は思わなかった。



 それを無視し、神﨑は話し始める。

「証拠を提示する。その証拠ってのは、お前らの目の前で全て(おこな)っている。」

「言ってる意味が分からない。」

 天笠の冷たい言葉だけが響く。その反応に、イライラしていた1人の男がついに叫んだ。



「お前はRなんだろ!!こいつら無視して、話せや!!」

 それは、空蝉だった。静かになったその空間で、神﨑は返答した。



「いや、それはできない。なぜなら、雨宮さんに、俺はお前らの教育係をしてくれ、と頼まれているからだ。」

「はぁ?」

 衝撃の事実に、沈黙が続く。



「まず、天笠。お前は、雨宮さんの言葉の意味を履き違えている。今、現在、現場で活躍している人という中に、警部は入っていない」

「おいおい、それはどういうことかな?」



 亜門が、神﨑に尋ねる。銃を向けられているのに落ち着き払った彼に、誰も異常だとは思わないのか?



「今、実際、事件の前線で活躍しているのは、俺、霧谷、北鯨の3人だけ。あとは戦力外だ。あれは、雨宮さんがお前たちに忠告をこめて言った言葉だ。」

「おいおい、妄想が過ぎるぞ。」

 天笠や亜門が、呆れたように言う。



「証拠ならあるぞ。これは雨宮さんから、受け取ったメールだ。読んでみろ。似たようなことが書いてある。」



 その文面は、今の警部の事情について書かれていて、神﨑にそれを頼みたいとのことだった。



「メールの説明はここまで。証拠について気づいたやつは……、小鳥遊1人だけ、か。」

「早く、その証拠を言え。」

 普段、無機質なアバラから言葉が出たので、周りは驚いていた。が、すぐに、話し始めた神﨑の方を向く。



「それは、……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ