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高校2年の冬、僕は人を殺した。  作者: 小西行長
2章  No.15 詩人 ①共犯者
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詩人の罠、神﨑の罠

「詩人さん。」

「ああ、すまない。少し、眠っていた。」



 コーヒーを飲みほし、そのまま立ち上がったスーツを着た男は、詩人と呼ばれている。彼は、今まで表立った舞台には立たないようにしてきた、非戦闘員であった。そのため、補助役として、私が雇われることとなった。



「ですが、まさか、あなたが協力してくれるとは思いませんでしたよ。」



 空になったコーヒーカップを回しながら、詩人は私に言う。



「いや、私が適任だったのでしょう。警察にも顔が利き、警察への宣戦布告をすることもできる。」

「まさに、あの方の思う通りに。」



「ああ、そうそう。実績を確認したいのですが。」

 詩人からの問いかけに眉を細める。



「なるほど。あなたも風変わりな人だ。僕が、【人の会】の四柱だということくらいは、知ってるでしょう。」



 あくびをしながら言う。暗殺業界では、名の知れた組織である【人の会】は、理不尽な社会を形成している人を殺すために存在していた。


 

 スローガンの「人のために」。【人の会】には、柱といわれる幹部四人が、トップの意思を聞いて、実行している。あくまで、自分たちが正しいという理論を、詩人は理解できなかった。だが、協力者としてはふさわしい存在だろう。



「で、次のターゲットはこの男だ。」



 指さされた写真に写るのは、優しそうな風貌の高校生。

「また、高校2年の男を。」

「ああ、あの事件を再現しないとダメだ。私の作ったホームページは、徐々にPVが伸びている。これから、有名になっていくだろう。」



「なあに、心配そうな顔をするな、四柱の1人よ。」

「ええ、そういえば、1つ気になることがありまして。」



 暗い深夜の会合を、誰も疑いはしないだろう。いや、気づきもしない。だが、彼には報告しておかなければ。



「神﨑と名乗る男が来まして。Rという名を冠しているそうです。あの、天才が来たのかも……。」



「なあに、【狩人】、【おどけたピエロ】、【トランプの魔術師】。彼らは、嵌められただけ。俺が嵌められることはない。現に、柱という餌で釣れそうなんだから。」

 


 悪趣味な人だとは思うが、彼の言葉には信頼性がある。元詐欺師という情報だけは知っていたからだ。でも、顔も声も誰も見たことがないのに、どうして俺に見せたのか?少し疑問に思いながらも、まあいいと思って、今日は解散となった。

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