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魔族と勇者の二面相  作者: 鏡羅米湯
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魔法と剣

見慣れない点多々あると思いますが寛大な心でご覧ください。




ここはシュール王国。この国では代々魔族と戦いが続いている。そして魔族に対抗するためたくさんの勇者が魔王を討たんとするべく毎日のように誕生していく。この世界で人間は剣を持つことしかできない。逆に魔族は武器を使うことができず、魔法攻撃を主体としている。魔族といっても一区切りではなく、火炎魔法や氷結魔法、吸血鬼や悪魔など様々な種族がある。その魔族を倒すために勇者になるーーーーーーー






はずだった。





「気持ち悪い。お前なんか私の息子じゃ無い。」



最後に母親から聞いたのはその言葉だった。父は僕が小さい頃に魔族との戦いで死んだ。そこから女手一つで僕を育ててくれた。僕が16歳になった時、母は、


「ルシア、お前は魔族を倒す勇者になりなさい。そしてこの国を守りなさい。」


「うん。わかった。」


特にやりたい事や目標もなかった僕は母の言う通り勇者になるんだと思い修行を始めた。剣を握り始めるとすぐに僕には剣の才能がある事がわかった。僕は特にそれが嬉しいとか感じられず、ただひたすらに剣を振っていた。そして修行を続けて一年、事件が起きた。


「ていっ!おりゃ!」


いつも通り修行していた時、目の前に大木があった。僕はそれめがけて剣撃を入れた。大木は揺れはするが倒れそうにない。さらに踏み込んで一撃を入れようとした時、汗で手が滑って剣がすっぽ抜けてしまった。そのまま手を振り下ろした時、目の前の大木が焦げていた。一瞬何が起きたかわからなかった。大木は雷にでも打たれたかのような焦げ方をしていた。そこに母さんが青ざめた顔でやってきた。


「どうして魔法がつかえるの。人間は魔法が使えない。だから剣しか握れないはずなのに!」


そこで理解した。目の前の大木は僕が魔法で焦がしたのだと。


「なんで魔法なんか!、、、お前なんか人間じゃない。」


なにを言っているのかわからなかった。


「気持ち悪い。お前なんか息子じゃない!」


その言葉を最後に母はいなくなった。

魔法が使えるのは魔族だけ。そのことはよく知っていた。そこから先の一年は魔法だけを使って過ごしていた。顔には悪魔のような仮面をつけて黒い服に身を包んで森の中で暮らしていた。そのうちに魔族界で名前が知られ、魔王ゼラガルンの軍に入ることになった。そこではルーシャと名乗っていた。戦っているうちに魔王の直近の幹部の位置に着いた。

そして近くの村を襲っている時、その村を守るために派遣されていた1人の女勇者に会った。周りの勇者が敗北を悟り逃げている中、彼女は1人、村の住民を守るため奮闘していた。

彼女は魔物を攻撃はするが、殺しはしていなかった。ルーシャは不審に思い彼女に話しかけた。


「どうして魔物を殺さないんだ?」


彼女はびっくりした様子だったが、少し迷ってからこう答えた。


「私は魔族を殺さない。殺すことで結局不幸の連鎖をつくってしまうから。私はいつかこの世界に住む全ての種族が仲良く暮らせるようにしたい。」


想定外の答えだった。だけどルーシャの頭に少し動揺が現れた。


「もし自分の家族や友人、恋人が魔族の素質がある、または魔族のように魔法を使ったらどうする?」


「私は今まで通り家族でいるだろうし、友達のままでいる。」


ルーシャは彼女が嘘をついていないのがわかった。彼女の目には強い信念が宿っていた。


「、、、お前の夢が叶うといいのにな。」


「え?」


「お前、名前は?」


「、、、キアラ。」


「そうか、また会おうキアラ。」


ルーシャはそう言って消えていった。

キアラはあっけに取られていた。あの魔族は何を言っていたのか、今はそんなことどうでもいい。早く村人の安全を確保しなければ。

キアラは我に帰ると村の安全確認を行った。確認が夜に終了したことでキアラはシュール王国に帰還した。村の人からお礼の品々をもらったが全て断った。キアラは家に帰ってから今日の出来事を思い出していた。あの魔族はどういう意味であんな事を言ったのか。考えても答えは出てこない。キアラは明日にしようと眠りについた。


翌日キアラは勇者訓練場に立ち寄っていた。するとそこで1人の男に声をかけられた。


「すみません、勇者になるために遠い国から来たんですが、ここで勇者になるための訓練をするんですか?」


「あ、はいそうです。まずここで兵士登録してから訓練をして、試験に合格できたら晴れて勇者になれます。勇者になれば一人で任務や複数で任務など様々な任務が受けれますよ。」


「そうなんですか。僕遠くから来たものでこの国のことなどよくわからないことが多いんですよ。」


キアラはそう言われてそんな遠くから勇者になりに来るなんてすごいと思っていた。それと同時にこの男をどこかで見たことあるような気がした。


「失礼ですがどこかでお会いしたことありますか?」


「いえ、僕は会ったことないと思います。人違いでは?」


「そうですか。すみません。兵士受付場はここをまっすぐ行った後、つきあたりを左です。頑張ってください。」


キアラは笑顔で手を振った。彼は見たところ筋がいい。勇者になるのもそう時間はかからないだろう。そう思ってその場を後にした。



〜〜〜兵士受付場〜〜〜


「はじめまして。勇者希望ですか?」


受付の女性がそう話しかける。


「はい。そうです。」


男性が答えた。


「ではこの用紙にお名前と年齢のご記入お願いします。」


「わかりました。、、、、、、これでお願いします。」


「はい!ではこちらで承ります!」


「ここではどのように勇者になるんですか?」


「こちらではまず勇者になるための基礎体力と剣撃、そして実際に魔物とも戦ってもらいます。そして勇者同士で戦ってもらい、自分に合った攻撃法などを見つけ出してもらいます。これらを1週間続けた後に試験があります。試験は当日発表になりますので内容はわかりません。」


女性が丁寧に教えてくれた。


「なるほど。ありがとうございます。」


「はい!ではルシアさんの兵士受付を完了いたします!頑張ってください!」


「ありがとう。」


男は笑顔でそう答えた。

ここまでご覧いただきありがとうございます。続きは順次更新していきたいです。

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