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くずかごの戯曲  作者: GOMI
3/11

語彙力ゲーム!

二人の男子高校生が、暇を持て余していた。

そよそよと風が彼らの髪を撫で、温かな日差しに包まれ、安らぎを感じていた。




「暇じゃね?」

『死にそうなくらい暇』

「なんかゲームしようぜ」

『いいぜぇ…』

「なんかねーの」

『せっかくだからゲーム考えようぜ』

「天才じゃん」




「とは言ったもののゲームってどうやって作んだ」

『企画・設計から』

「外注でもするんか?」

『うーん、じゃあしりとり的なさ、口だけあればできるようなゲームにしよう』

「いいね」

『言葉の一番後ろをつなげていくゲーム』

「もうある」

『口使うとボキャブラリーが必要になるな』

「語彙力を試そう」

『語彙力』

「芸人とか清少納言とかって言い例えめっちゃするじゃん、そんな感じにしよう」

『芸人と清少納言を同じ土俵に立たせるな』

「語彙力ゲーム!どんどんパフパフ」

『その盛り上げ方する奴、現実で初めて見たぞ』

「俺も初めてしたしめっちゃ恥ずかしいな」




『で、どうしようかルール』

「何気ない会話を自分が持つ語彙力MAXでしよう」

『してみるか』

「き……本日はいいお天気ですね」

『まことにまことに………いかがいた、しますこと?』

「タイムですわ」

『んだよ』

「ただのお嬢様じゃん」

『ちょっと思った』

「駄目だなー会話は、貴族の会話になる」

『なんかテーマ決めて、それをどんくらいエモく言えるかにしようぜ』

「いいじゃん」

『じゃあテーマは、"青春"』

「青春ってすでに字面エモくね?」

『その年で悟るなよ』



「できた?」

『できたできた』

「じゃあ俺からね、えっと…【夏空の入道雲、サッカー部の汗きらめく】」

『あいつらめっちゃ汗くせぇじゃん』

「女子サッカー部とかなら全然ありだな、でもこれよくアニメとかで描写されんじゃん」

『それな。じゃあ俺な。【二月のマフラーと髪、バレンタインの校舎裏】』

「喧嘩?」

『どう考えてもちげぇだろ。』

「何お前、そういう経験あんの?」

『無いんだなぁこれが!』

「泣くなよ」



「結構いいんじゃね?これ」

『いやいいよいい感じだよ。お前がそんなポエマー気質と知らんかったし』

「よせやい。じゃあ次は"病気"」

『病気ぃ?またよくわかんねぇやつを』

「降参?」

『やってやろうじゃねぇか』



「できた?」

『自信ないけどできた』

「じゃあお前いいよ」

『うし。【友達の手で渡されるプリントと、アンニュイな登校】』

「気持ちめっちゃわかる。元気になってもなんか行きずれぇよな。」

『ちょっとツイートしてぇもん』

「じゃあ俺な。【友達より早く読めるジャンプに癒える我が胃腸】」

『ちょっと好きだわそれ。甲乙つけがてぇ~』



「お前ら何してんの?」

『佐々木!お前野球部引退してから髪の毛伸びんの早くね?』

「坊主の佐々木に戻ってあの頭をまたシャリシャリさせてくれよぉ」

「やだよ、シャリシャリするためだけに刈らねぇよ」

『今語彙力ゲームってのやってるけどお前もやる?テーマに沿ってどれだけエモく言えるかってやつ。テーマは"病気"』

「面白そーじゃん、病気な?…できた」

「は?早くね?」

『申してみよ』

「【尻にネギ】」



「お前が優勝だわ。」

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