病気の私
悲しい寂しい辛い苦しい
壊されたい。
負の感情に私は閉じ込められる。
私はトークの画面を開いたまま動かない。
月明かりもない真っ暗な部屋
下から当たる光は私の顔を不気味に照らす。
こんなことをしたら嫌われてしまうことはわかっている。
でも、せずにはいられないのだ。
『ごめんなさい』
『あなたにとって私は必要?』
『ごめんね』
こんなことをさっきからずっと送っている。
“既読”の文字が欲しいようで欲しくなかった。
私はずっと画面を見ている。
ただぼーっと見ている。
私の虚ろな目には涙すら出ない。
私はこんなにも苦しいのに......
鳴ってほしくない音が鳴る。
「どうしたの?」
その声に私は涙が次々と溢れ出てきた。
さっきまで難なく呼吸ができたのに、今は呼吸をすることができない。
苦しい......
「大丈夫だよ、そばにいるから、ずっと」
「だから、安心して」
涙が止まらない。
気が付くと朝を迎えていた。
電話はまだつながっていた。
彼の寝息が聞こえてくる。
愛おしい。
あの時の私は彼に壊れたかった。
最愛の人に心をズタズタに引き裂いてほしかった。
でも彼はどんなことをしても私の思い通りにはならなかった。
私は画面に優しく口づけをした。
そして私は電話を切る。
私は彼が大好きだ。
大好きだから試してしまう。
私は彼を愛している。
愛しているから愛されていることを実感したかった。
こんな私を受けとめてくれる彼を、私は愛している。
病気の私を愛してる。
本当は手放したくないのに、あえて手放されるようなことを
してしまうことはありませんか?
でも私の彼はいつも私の期待を裏切ります。
そんな彼を私は愛しています。
いつか私は彼を支えられる人間になりたいです。