表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の世界  作者: Sal
94/172

【第九十四話】氷の軍勢 2

「神谷先生……軽く状況説明してもらえますか?」


「1、校舎外50メートルに結界張られて救援要請不可。2、この校舎にいるのは俺達だけ。3、校長不在。以上だ」


「……解りやすい説明ありがとうございます」


 はてさて、面倒なことになったもんだ。



「目の前の敵全部倒せ、ってことですか」



 僕は教室に入り込んできた四人の姿をもう一度見る。強そうな人ばっか。


 すると、校舎の壁にしがみ付いている黒いドラゴンが吼えた。


 悪い予感しかしない。


 ドラゴンは頭を大きく後ろに反らせてから、勢いよく校舎に頭突きをかました。


 校舎の壁が一瞬、歪んで見えた次の瞬間に、大きな黒い頭が教室に侵入。


 轟音が響く中、僕は何かがミシミシときしむ音を聞いた。ああ、何てこった。



 僕らは崩れていく床と共に、下へと落ちていった。











「クケケケケ、さっさとおっ始めようぜ? ニンゲンよぉ」


 瓦礫の中、『氷王』の四副官の一人・ギュンツは目の前の人間にそう言った。


「あ~……すっかりみんなとバラバラになっちまったぜ……」


 トモダチは、体に付いた埃を払う。


「まぁ、とりあえず俺の相手はお前ってことでいいんだな。そういう分かりやすいの好きだぜ、俺」



 第一戦:友枝 達貴VSギュンツ






「私達の任務は『足止め』!! しかし、殺しの許可は出ている!!」


 四副官の一人・ミンデルは、目の前の人間に氷の銃を構える。


「容赦はしないぞ!!」


「……何だってのよ、もう」


 ヒナは溜め息を吐いた。



 第二戦:綿貫 雛VSミンデル






「御免遊ばせ?」


「……そういう展開か、これは」


 四副官の一人・リスと神谷 良介は向き合う。


「戦いたくない、と言うのでしたら、別に構いませんことよ? わたくし達としては、時間が稼げれば、それで良いので」


「お前に一つ訊きたいことがある」


「何ですの?」



「お前、『雪女』だろ」



 リスは目を丸くした。


「『妖怪』が何で『悪』に味方する。『妖怪』とは自然の権化。何にも染まらず、中立すべき『存在』だろ」


「流石ですわ。やはり同じ『妖怪』には判ってしまうのですわね」


「おい、質問に答えろ」


「『すべき』であって『強制』ではない……たったそれだけのことですわ。そんなことを言いますのなら、貴方も『善』に味方しているように見えますわよ?」


「俺はどっちにも味方してねぇよ。ただ、生徒の味方なだけだ」


「屁理屈ですわね」


「うるせ」



 第三戦:神谷 良介VSリス






「ヴー……」


「おい、英雄。コイツは何だ?」


「雪男、ってやつじゃないッスか? 見るの初めてッスけど」



 第四戦:海藤 魚正&清華 英雄VSウルム











「いててて……」


 桐谷 秀は起き上がる。


「……何だこりゃ」


 目の前に広がっているのは、巨大な真っ白い氷のドーム。かなり広い範囲を囲んでいるようだ。


 中で一体、何が起こっているのだろうか。気になった秀は、壁に触れる。


「……結界か」


 力尽くで、そう簡単に破れる物でも無さそうだ。


 ならば、と秀は枷を外そうとしたその時。



 背後から、首筋に冷たい物が触れた。



 それが一体何なのか見なくたって分かる。


 剣だ。剣が首に当たっている。


 秀は、ゆっくりとその剣の持ち主の方へ振り向く。


「……何で、君が……?」


 そこにいたのは。


「――――」


 『無口その2』だった。



 第五戦:桐谷 秀VS不知火 噤

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ