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僕の世界  作者: Sal
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【第九話】崩壊編:この世界の戦闘

「おら!」


 『悪魔』が振り下ろしてきたのは、剣。長剣と呼ばれる、最もポピュラーな剣。


 僕らはその攻撃を避ける。っていうか、こんな狭い廊下でそんな長い物振り回すなよ、危ねぇ。


「おい、秀。俺の持ってる武器じゃ、あのリーチ相手はきついから、任せていいか?」


「ふざけんな。何でガントレットなんていう、殴り合い専用の武器しか持ってきてねぇんだ」


「だって俺、こういう戦闘の方が得意だし」


「んなこた知ってるけど、予備としていくつか別のもの持って来いよ、アホ」


「てめ、アホって言う方がアホなんだよ!」


「うわ、なんて低レベルな言い返し」


「話してる場合か、アァン!?」


 おっと、『悪魔』が距離を詰めてきた。ヤバイヤバイ。


「てか、お前なら剣相手くらい、ソレで張り合えるだろ」


「そりゃそうだ」


 トモダチは、『悪魔』と一気に間合いを詰める。


 ガァン! と金属同士がぶつかる音が響く。


「なっ!?」


 剣の攻撃をガントレットで受ける。いや、受け流す。


 そして、そのまま腹に一発。


「ごふッ!」


 追撃をかけようとしたが、『悪魔』の方が素早く間合いを取る。


 早くも、息が上がってるように見える。まぁ、顔はほとんど見えないが。


「………正直、ナメてたぜ。ここまで戦闘馴れしてるとはな」


 肩で息を吸っている。ガントレットの一撃がかなり効いてるようだ。ま、そりゃそうだ。アレはめっちゃ痛い。


「だったら本気で行くしかねぇだろ、アァン?」


 その瞬間、一気に周りの空気が重くなった。


 『悪魔』が詠唱をし始め、禍々しい力の塊が形成されていく。



 ああ、これは魔法だ。



 僕が一番嫌いな力だ。


「死ね」


 『悪魔』が火の玉を放つ。


 炎魔法第三番『シェル』。直径約1メートル。消費魔力はそこそこ。まぁ、打ち消し可能だ。


 僕は、火の玉に向け掌を出し、反対詠唱をする。


 そして、火の玉は僕の手に触れた瞬間、消滅した。


「こんなとこで、炎魔法を使うなよ。廊下が燃えて、火事になったらどうすんだ」


 『悪魔』の動きが止まっている。驚いているように見える。


「………お前ら、一体何なんだ? どこまで、力を持ってんだ?」


「別に。僕は、炎魔法のセンスがないから具現化は出来ないけど、魔力の蓄積は出来る。今のは、同威力の炎魔力を反対詠唱で手に集中させて、相殺しただけ。威力調節が得意なやつなら、誰でも出来る。」


 ただし、反対詠唱を覚えるのが面倒だが。


「教えといてやるぜ、『悪魔』。俺達の学校は、そういうやつらだけが通うとこなんだよ」


 どさくさに紛れて『悪魔』の後ろに回りこんでいたトモダチが、頭に一撃をお見舞いする。


 はい、戦闘終了ー。





 その後、目が覚めた『悪魔』から彼女の名前が出たとき、僕らは驚きを隠せなかった。

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