【第五十二話】勝敗結果
「363」
「364」
「…………」
……負けた。
何がって、テストだよ。テストの点数。
トモダチの発案で始まった、麻央さんとのおかしな賭け。いや、言い出したのは正確には僕かもしれないが。
今日、英語科のテストが返ってきたので、結果発表ということだったのだ。
結果は、さっきのとおり。1点差負け。
社会科のテストでふざけた分だ。自業自得だ、これは。
「……罰ゲーム、決めていいよ。麻央さん」
そう、この賭けの敗者には罰ゲームが待っているのだ。トモダチの提案で。
「あ……うん、と……それじゃあね……」
さて、どんな罰ゲームか。案外、僕と同じような事を考えてるかもしれない。ジュース奢りとか。
「罰ゲーム、っていうんじゃないんだけど……今度の休み……一緒に、買い物に行かない?」
…………。
?
「……え、と……そんなんでいいの?」
「うん。じゃ、詳しいことはまた後でね」
そう言って、彼女は立ち去って行った。
…………。
あれ、何だろうこれ。
デート?
いやいやいや、意味が解らない。罰ゲームじゃない。
何か麻央さん自身も、罰ゲームじゃない、って言ってたけど、んむ?どういうことだ?あれか、夢かこれ。夢なのか、これ。
「おい、何やってんだ、秀。頬なんかつねって」
「……トモダチ」
「まーさんとの勝負はどうなった? もう、罰ゲームやったのか?」
当然のごとく、つねった場所は痛い。
さて、ここでこいつにあのことを言うべきか、否か。
「……知らね」
「何だよ、それ!?」
「うっせぇ、知らねぇもんは知らねぇんだよ」
「何だよ、教えろよ! あれか、お前負けたか! 負けたのか!?」
「だまれ!!」