プロローグ
あらすじとか苦手。厨二全開です。
これは分かりきっていた結末だった。
たった一人しか生き残ることのできない。
僕の腕は彼女の胸を貫き、その身は力なく佇んでいる。とめどなく血は流れ死へと向かっていく。そんな彼女を見ていられなくて僕は精一杯抱きしめた。
僕は自身の意思で彼女を殺すことを決めた、その僕に彼女の死を悲しむ資格などないだろう。
それでも僕は悲しまずにはいられなかった。
心が空虚になって行く。
彼女にはずっと助けられてばかりだった。辛くも二人で苦楽を乗り越えた思いも今は灰のように霞、散り散りに消えて行く。
今にも死にそうな彼女は掠れた声で言葉を紡ぐ。
その言葉は虚ろとなった僕の心に何かを与えくれる。
その言葉はきっと忘れる事はない。
やがて、彼女の命の灯火は完全に消え去った。
*
これは呪いだ。
命を奪い続け生き延びた僕に死は許されない。
だが僕は生ある限りまた、命を奪い続けるであろう。
蠱毒の中で生き延びた呪い、それが僕。
これから先、どんな業が待っていようと僕は生き続ける。
彼女はこんな僕を許してくれた。だから、こんな呪われた僕が死ぬその時まで待っていて欲しい。