表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Reset−出来損ない達の冒険−  作者: 狼少年
第二章・学園編
20/24

〜赤と青の戦い〜

ーーー


「ここまで来れば取り敢えずいいか!」


カイは三人と別れ、

木々をどんどんすり抜ける様に走り去る。

進むと視界が広くなり前方に

円形に開けた場所に辿り着いた。

木々が周囲を囲み、天然のコロシアムの様だ。


「さーてまだかなまだかなー!

…待てよ!!相手が美少女だったらどうする!?

いや運命的な出会い、恋が生まれる…

くっ!学園め!味な真似をしやがって!」


美少女との出会いを妄想していると

空に花火が打ち上がった。


「始まりの合図は突然に。恋も突然に。

よっと!!敵も突然だな!」


顔面めがけて〝魔弾まだん″が迫るが、首を傾けて躱す。

撃った男子生徒が当たらなかった事を確認し、

木の陰から短剣を持った男子生徒が出て来た。


「カイ・ロイン。お前を倒せば

一躍、有名になれそうだな!」


「待て!俺が最初に見つけた!俺が相手だ!」


「調子に乗って騒ぎやがって!

気に入らねぇ!ブチのめす!」


横からロングソードを構えた男子生徒に、

盾と槍を持った男子生徒が後ろから出て来る。

新たな敵の出現に三方を囲まれた形になる。


「ちっ!一応、こいつは代表選手だった奴だ!

ここは協力して一旦、こいつを潰して

改めて三人でやり合って手柄決めようぜ!」


「その案に乗ってやる!」


「了解だ!」


知らず知らずの間に敵が結託していた。


「はぁ…なんで男に取り合われてるんだ…

あーもしもし?作戦会議的なの終わった?」


ため息を吐いて鼻をほじりながら言うと、

三人の顔が見る見るうちに真っ赤に染まる。


「「「ぶっ殺す!!」」」


三人が一斉にカイに飛び掛かる!!


「誰を潰すって?

舐めた事、言ってんじゃねーぞ!

おらっ!!〝火炎爆砕フレイムエクスプロージョン″!」


気合いと共に二極にきょくの先に

火魔法を溜め、地面に叩きつけたと

同時に旋回する。

火炎がぜて周囲の地面と

敵を爆音と共に呑み込んだ。


煙が晴れて視界が開けると、

カイを中心に円を描く様に地面が抉られ、

そこに倒れている三人が見えた。


「やり過ぎたか!?やっべ…あっ」


生きてるか不安になり確認しようと近付くと

三人の姿が消えた。


「転移か!んじゃ生きてるな!安心安心!

さて…次は美少女であれー!」


また次の相手を探しに走り出す。


ーーー


その頃、葉月は追い込まれていた。


「最悪…気持ち悪くて直視出来ないわ…」


木の陰に背中を預けてげんなりした顔で呟く。

その相手はと言うと、

何故か上半身裸でだらしのない

身体を揺らしながら辺りを探している


「ユイたんどこぉー!この公子こうしの天使ちゃん!」


汗で濡れた前髪をべっとり眼鏡に

張り付かせながら葉月の名を叫ぶ。


「ユイたんは照れ屋さんだなっもう!

それならお掃除しようかなぁん!

あい堕天使だてんし″」


公子が堕天使を取り出す。

銃口が通常の物より広くなっている。


「さぁ〜行くよぉ〜〝ラブ暴風ストーム!!」


銃口から勢いよく風が吹き荒れる。

木々を押し倒し、葉月が隠れている木も倒れる。


「きゃ!!」


倒れた木は避けるが、暴風に身動きが出来ない!


「見つけたよぉん!!〝吸引力ラブダイションの変わらない愛″!!」


銃口が遂に葉月を捉える。

今まで吹き荒れていた風が止み、

逆に周囲を吸い込み始める。


倒れた木や砂がどんどん銃口に吸い込まれ、

葉月も引き寄せ始める。杖を地面に突き刺し、

何とか耐えてはいるが時間の問題だ。


「こんな所で負ける訳には行かないのよ!!

私はお母さんを超える大魔導士になるの!!」


「〝魔力吸収まりょくきゅうしゅう″で

貴方の風魔法の魔力を貰うわ!」


緑色の光を身体に纏い始める。

徐々に吸収力が弱まる。その隙をつき、


「光栄に思ってね!一応、私と貴方の

共同作業よ!行け!〝激流大嵐ウォーターテンペスト″!!」


ことわり″の先にある宝珠から

激流が流れ込み、そこに嵐が加わって

激流と嵐が激しく衝突し合いながら

公子に襲い掛かる。


「共同作業ぉお…ひぃい!!ガボォォ!!」


真正面から受け、激流に呑まれ飛ぶ。

激流が消えると倒れてた木も遠方に流され、

目の前が更地になっていた。

倒れていた公子が光ると、姿が消えた。


「ふぅー。ある意味、強敵だったわ…

みんな無事かなー」


汗を拭い、空を見つめて葉月が言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ