六十一本目
次の日、冬華が殺された。
頭を強く殴られ、生き埋めにされた。
村人の中でも屈強な大人たちに囲まれた中それは行われた。
春樹が一生懸命どけようとしていたのを発見した。
勿論敵うはずもなく、結局冬華は冷たいだろう地面に抱かれた。
こんなにも酷い所業をあっさりと行えてしまう。
そんなこの村の大人たちが大嫌いだった。
ううん、今も大嫌いだ。
ぼろぼろと私の分まで泣いているように思えるほど彼は泣く。
「冬華、冬華・・」
あんなにも酷く罵ったのに。
彼は”冬華”を想って泣いてくれている。
彼の知っているのは二人分だけれど。
それでも彼の思いが私にまで届いてくれているように感じてしまう。
きっと私が死んでいても同じように泣いてくれる。
そんな予感がした。
ぼたぼた、と地面に彼の涙が広がっていく。
彼の気を引くために鈴を鳴らす。
儀式の時に冬華が持っていた、あの鈴を。
────ちりん、
・・・・・・・・・・・・りん。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぃん、
ちりん。
計2回だけ振る。
後は揺り返しの音が響く。
この場所はあの墓場のすぐそば。
だから鈴の音が木霊するのだ。
彼の耳に確実に届くように。




