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きになるはなし  作者: 雲雀 蓮
天(そら)を目指して
53/70

五十二本目

****



「あーーーーーーー!」

「な、なんっだよ!脅かすな!」

「ちょっと―お母さんうるさい」

「お墓参りに行きましょ」

「・・・・・誰の、だよ」

「ご先祖様?」

「なぜ疑問形なのさ」



口元に人差し指を当てて、悪戯っ子ぽく微笑む。

それを見て子供たちはブーイングの嵐を巻き起こす。

なんだか平和すぎて、涙が出てきそう。

なんて思いはこっそりしまい込む。



「お母さん?」



あら、いやだ。

ばれているみたい。

この子は鋭いから困る。

でも気づいてもらえるということは、嬉しくもある。



「ちょっと遠くて変なところにあるけど、みんなで行きましょうね?」



「・・・え?みんなって」



















車を借りて、山を一つ、二つ越えていく。

森しかない風景を何時間も眺める羽目になる。

子供たちはワイワイとお菓子をつまみながら、楽しくしている。

ミラー越しに確認して、前を見つめなおす。



「さぁ、ついたよ」



見渡す限り、木しか見えないその場所。

墓石なんてみあたらない。

そんな風景に対して、子供たちはやはり怪訝そうな顔をする。


だから説明をしてあげた。

昔、昔の話を。

ここで起きた惨劇と、その結末。


それらは全て先祖の話であることを。



「・・・その”巫女”って言われていた人の血が流れているの?」

「うん、多分」

「多分って・・・」

「そうするとね、おかしいの。”巫女”には力がなかったはずなのに」

「子孫の私たちには力がある」


「まるで、もう一度悲劇を生み出せと言われているかのようですね」



その一言のあと、みんな口を閉ざしてしまった。

もう起きてしまったから、否定ができなかった。


すると、娘が言った。



「違うよ。きっと」



もし、生まれ変わりというものがあったのなら。

記憶も伝承しないだろうか。

そうすればはっきり分かったのに。


でも私には見えてしまった。



息子と娘。

その親友たちの姿にかぶるように立つ、少年たちが。




「もう一度、巡り合うための目印だよ。


 本当の幸い、つまり銀河鉄道の夜かな。

 あれと同じように最後は離れ離れになるけれど、会いたい。

 

 ジョバンニとカンパネルラも旅が終わってから再会したじゃない。

 カンパネルラは死んじゃっていたけれど、会えた。


 同じようにまた、どんな形であっても会いたかった。


 そんなみんなの願いが形になったんじゃないかな?」




「そうすると、春樹ってやつはどうなるんだよ。あいつだけ敵対してたじゃないか」

「うーん、しらない。死んでから心変わりしたんだじゃない?」



兄妹仲良く会話しているわが子たち。

そんな壮大なまでに適当な推測あっさり立てないでよ。

なんて思うけれど、きっと当たらずとも遠からずと言ったところだろう。

愛おしくて、仕方のないこの光景がいつまでも続いてほしい。

ずっと、永遠なんてありえないけれど。




あの子が願ったように、いつまでもみんなが幸せで。




そうあって欲しいと、心の底から思う。









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