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きになるはなし  作者: 雲雀 蓮
本当の××××
41/70

四十本目

**



夜の足音がする。

辺り一面オレンジ色に染まった村の片隅、というほどに狭くはないか。

彼が居るであろう、場所。

冬華の住んでいる家についた。


彼はきっと冬華を殺そうとしている。

だったら、彼は必ずここに来ているだろう。

その推測は悲しいことに正しかったようだ。



「・・・・おや」



笑顔で私たちを見るその人は、村長にそっくりだった。

それに気付いた咲希ちゃんと明樹君は息をのんだ。

私も少し驚いて息をつめてしまった。


春樹と同じ黒い瞳はずなのに、まるで絵具を全て混ぜ合わせたようなどす黒さ。

白髪交じりの黒髪もどこかくすんだ色をしている。

そして、宵闇に紛れるためのような服も。

どこかに邪悪な何かを感じてしまう。

それはやはり彼が殺人を企んでいるからなのだろうか。

いや、それ以上に恐ろしいことを実行しようとしているからだろうか。



「ダメだろう?子供がこんな遅くまで外で遊んでいては」



村長と同じような発声をして、

村長と同じように立ち振る舞う。

同じようなことを私はしたことがある。

やはり、という思いが駆け巡る。

彼いや彼らは、双子だったのか。


徐々ににじり寄ってくる彼。

顔にほほえみと言うものはついているけれど、それが偽りであることは分かった。

彼の手には武器はない。

でも知っている。

成人男性と子供の力の差を。



「貴男のしていることは、復讐ですか」

「さぁ、お家に帰ろう。送っていこう」

「それほどまでに、この村が憎いですか」

「”贄”はお社にいる約束だろう?さぁ、早く戻ろうね」

「自分の家族も、殺すまでに、この村が憎いですか」



じりじりと、距離が詰められていく。

会話でもして足を止めさせようとしたがだめだ。

かみ合わない会話をしつつ、近づいてきた。


せっかくカマをかけたのに。


否定しないことから、あながち間違っていないことが分かったけれど。

今はその事実なんて必要ない。

どうしよう、じり貧状態だ。

そう思ってまた、足を後ろに運んだ、その時。



「っっ!」



冬華の息を詰める音が聞こえた。

それはまるで痛みに耐えるような、そんな…音。

恐る恐る振り返った。


そこには冬華が痛みを享受している顔があった。






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